冠婚葬祭で恥をかかないための知識やマナー、礼儀などの大辞典です。

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結婚式、お葬式のマナー、電報、お祝い、お悔やみなどの参考辞典

最終更新日  2008年 01月 23日

つきあいとは?

■ピルを服用する女性の立場からの情報は、意外と少ないように思います。「ピルとのつきあい方」では、ピルを服用する際の疑問や心配について、できるだけ詳しく解説しています。「ピルとつきあっていく」ためには、それなりに詳しい情報が必要だと考えているからです。
■「ピルとのつきあい方」には、もう一つ意味を込めています。ピルは上手に使えば、私たちの人生の質を高めてくれます。ピルは単なる避妊薬ではありません。ピルという友達を得て、この友達と仲良くつきあうことによって、女性の人生がそれぞれにより輝くものであってほしい。このような願いを込めて、「ピルとのつきあい方」にしています。
■ピルを人生を豊かにしてくれる友達としていくためには、さまざまな選択肢が用意されている必要があります。第3世代ピルもひとつの重要な選択肢だと思います。第3世代ピルは認可されたけれど、理不尽ないじめにあったりしています。日本ではまだ販売されていない第3世代ピルを含めた、低用量ピルの紹介をしていきたいと思います。
■国立健康・栄養研究所が協力者を募集しています■メルマガ「ピルとのつきあい方」通信
低用量ピルにも種類があります。各製品の特性を知っていると、自分に合ったピルを見つけるのに役に立ちます。少し難しい話ですが、我慢して読んでみて。用語集はこちら(工事中)
ピルを飲み始めると、心配事や困り事も出てきます。副作用や生理に関すること以外の事項について解説しています。
ピル服用中の生理についてまとめています。生理日を調整する方法などについても解説しています。ピルの生理を軽くする効果については、こちらからどうぞ。
近代的避妊の必要性について考えましょう。ピルの避妊効果についても解説しています。
ピルも薬。薬で一番怖いのは副作用ですね。副作用と対処法について解説しています。ピルには、思わぬメリットもあります。ピルの一石二鳥についてもまとめています。ピルと疾病の関係についてはこちらから。
ピルは解禁されたことになっているけど、「半解禁」ってところかな。反対論にも耳を傾ける必要があると思いますが、・・・。難しくてもいいならピル反対論の検討もご参照下さい。
ピルはねぇ・・・という男性の方に読んでほしいページです。パートナーとご一緒にお読み下さい。
低用量ピルは薬局では買えません。病院選び・検査・費用などについて予習しておきましょう。
ピルについて皆さんから寄せられた体験談やご意見を「私にとってのピル」として紹介しています。談話室↑を作ってから、投稿が少なくなった(^^;)。
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【 134】引用元  ピルとのつきあい方
URL: http://finedays.org/pill/

脊髄で強い発痛物質としてあげられていたのが一酸化窒素とアデノシン、一酸化窒素に注目してきましたが、たぶん睡眠導入物質のアデノシンもGSK3βを含む基本回路の構成に必須の働きをしている物質で、いづれはもう少し考えないととおもっています。
で、そのアデノシンの分解酵素が、アデノシンをイノシンに変えることでその性質も変えるRNA編集し、それにより、記憶の長期増強にも中心的な働きをするAMPA受容体は通常はRNA編集を受けカルシウムの不透過になるようです。
分解酵素のタイプがどうなのかはまだよく分かっていませんが、そのアデノシンの分解酵素を生まれつき持たないためにADA(アデノシン・デアミナーゼ)欠損症というリンパ球が減ってしまう免疫不全の難病をもつお子さんに自閉症が合併する、その自閉症の症状が出る原因を以前から考えているのですが、このAMPA受容体のカルシウム透過性の変化が関係しているかも。
AMPA受容体のカルシウム透過性の変調により、ALSでは細胞死が起こらないところで細胞死が起こるのかもしれませんが、逆に細胞死が起こるところで細胞死が起こらない場合があるかも。
運動ニューロンの神経細胞死には,AMPA受容体を介したメカニズムが中心的な役割を果たしており,この神経細胞死にはCa2+透過性AMPA受容体の割合が増加し,AMPA受容体を介するCa2+の流入が増大することが主要な役割を果たしている。AMPA受容体のCa2+透過性亢進には,未編集型GluR2サブユニットを含むAMPA受容体割合の増加の他に,編集型GluR2サブユニットを含まないAMPA受容体割合の増加,のメカニズムがある。
孤発性ALS運動ニューロンの神経細胞死には前者の分子変化が起こり,神経細胞死の一次原因となっているが,変異SOD1に関連した家族性ALS(ALS1)では後者のメカニズムが働き,変異SOD1の細胞毒性を増強させていると考えられる。
また,運動ニューロン死には,AMPA受容体を介さない神経細胞死もあり,球脊髄性筋萎縮症(SBMA)がその代表である。このように,運動ニューロン疾患により細胞死の分子機構が異なるので,治療法もそれぞれに特異的なものが求められる。孤発性ALSにおけるGluR2のRNA編集異常は,疾患特異性が高いので,GluR2 Q/R部位のRNA編集を快復することが孤発性ALSの特異治療につながると考えられる。GluR2のRNA編集はADAR2が触媒するので,孤発性ALS運動ニューロンではこの酵素活性が何らかの原因で部位特異的に低下したためと考えられ,ADAR2活性を快復することが,GluR2 RNA編集の正常化を通じて特異治療の標的になると期待される。
研究課題名 異常蛋白質蓄積によるASK1 シグナルを介した神経変性細胞死の分子病態の
細胞内異常タンパク質の蓄積がタンパク質分解経路の抑制、ならびに小胞体ストレスを誘導することを以前の研究により明らかにしていることから、異常タンパク質蓄積の一例として、家族性ALS の原因の一つである変異型SOD1 タンパク質を用いてユビキチンプロテアソームと小胞体ストレスに対する影響を検討し、さらに変異型SOD1 結合タンパク質のスクリーニングにより、その分子標的・メカニズムを解明した。
すなわち、変異型SOD1 を運動神経細胞に発現させることにより、小胞体ストレスが惹起されることを明らかにした。
この変異型SOD1 誘導性の小胞体ストレスは、小胞体から異常タンパク質が細胞質側へと排出される機構、すなわち小胞体関連分解(ER associated degradation: ERAD)の抑制が原因であった。そこで、変異型SOD1 がERADを抑制する際の標的分子をスクリーニングするため、ERAD 関連タンパク質との結合を検討したところ、小胞体膜タンパク質でERAD に必須の分子と変異型SOD1 が特異的に結合し、その機能を阻害していることが示された。さらに、変異型SOD1 とこのERAD 構成分子の結合を阻害するペプチドを見いだし、そのペプチド発現により変異型SOD1 誘導性の小胞体ストレス誘導、ASK1(小胞体ストレス誘導性アポトーシスに必要な分子)経路の活性化、神経細胞死が抑制されることも明らかとなった。また個体レベルの結果として、ASK1 ノックアウトマウスではALS の病態進行が有意に遅延されたことから、変異型SOD1 によるERAD 構成分子機能阻害がALS の病態進行に大きく関与していることが示唆された。
シナプス領域へのAMPA受容体蓄積にPSD95が重要な役割を果たすことも示されている.PSD95を海馬培養神経細胞に導入することにより,AMPA 応答が増加する.
筋萎縮性側索硬化症については,レーザーミクロディセクターを用いて切り出した単一ニューロン組織での検討により,孤発性ALSの脊髄運動ニューロンでは,疾患特異的,細胞選択的にAMPA受容体サブユニットのGluR2 Q/R部位RNA編集率が低下していることを発見した。この分子変化は,チャネルのCa2+透過性を増大させ,細胞死の直接原因になっていることから, 孤発性ALSの病因は編集酵素ADAR2 の活性低下である可能性が高いと考えられる。さらに,運動ニューロンに発現するカルシウム透過性AMPA型グルタミン酸受容体が,変異SOD1トランスジェニック ALSモデルマウスにおいて,脊髄で変異SOD1の異常凝集形成を促進するとともに,臨床症状,病理所見を悪化させる因子であることを見出した。また,変異SOD1は異常蛋白質としてHsp70に結合するが,ユビキチンリガーゼCHIPがHsp70のポリユビキチン化を介して変異SOD1の分解を促進することを示した。
関節リウマチでは関節内のアデノシン分解酵素(アデノシン・デアミナーゼ;ADA)により、内因性抗リウマチ物質のアデノシンが分解され、関節炎が持続していることから、ADA阻害薬を投与することによりリウマチ関節炎の抑制、関節障害の改善を図ります。
これまでリウマチ関節の関節液中ADA活性が高いことは知られていましたが、その病的意義は明らかでは有りませんでした。私たちは、リウマチ関節の炎症性滑膜細胞がADAを多量に産生し、それによってアデノシンが分解され関節炎の持続につながることを明らかにしました。すなわちADA阻害薬により内因性抗リウマチ物質であるアデノシンを炎症局所で維持することにより、生体が本来持っている抗リウマチ作用を引き出し、身体に優しいリウマチ治療を行います。
GSK3βを含む基本回路が発生分化にかかわり、そこの発生分化に関係する物質が老化のところまで関係する。
頭尾のシグナルであるアクチビンと同じファミリーであるBMPが牛乳の宣伝にでてくるように骨形成に、分節のシグナルに関係しGSK3βの下流のNotchがアレルギーに。
その要の1つであるGSK3β(グリコーゲン合成リン酸化酵素3β)には名前の由来にかかわるインスリンが、そしてエストロゲンや成長ホルモンがインスリン様成長因子-1(IGF-1)を通じ、ASK1などからの酸化ストレスがAktという経路で、また細胞内へのカルシウム流入に影響されるカルシニューリンやNFATとの相互作用、一酸化窒素の産生の調節を受ける細胞外マトリクス経由のフィードバックにより、エネルギーや種の保存、個体の生存などが統合される。
発生分化にも関係する物質が、その基本回路で統合された情報により、脳・体の再構成していく。
自閉症は、その基本回路に何らかの原因により、脳のネットワークに偏りがでてしまう障害で、両端の偏りを含む症候群なのだとおもいます。
脳ということですと、一つは神経ネットワークづくりという回路の問題です。記憶の問題や脳の中における言語中枢、それからアルツハイマーの病気とか、脳といっても一元的ではなくて、いろいろなアプローチがあるわけです。我々の拠点では、酒井先生を中心として言語中枢を新しく見つけました。人はどこで言葉を認識し、どういう言葉を認識するかという研究も行いました。記憶でいえば、私たち自身はアクチビンという蛋白質で細胞の分化を制御しているのですが、実は記憶にもアクチビンという蛋白質が関与することが分かってきました。初期の発生を研究している私たちにとってみれば、今まで記憶に関しては神経学者がやっていて、全く別の世界のことだと思っていました。ところが、実際にはいろいろよく見て、別のところで同じ分子を使っていたということになれば、生物が一つの物質を場所と時間によって全く違った機能を持たせるということが分かります。記憶が人間にとって最も重要な一つの精神構造であるとするならば、そしてそういうものまでもアクチビンという蛋白質が関与しているのであれば、我々としてはある意味では新しい見方が出てきます。川戸先生が行っているのですが、記憶をつかさどる脳の部位である海馬にアクチビンを投与することによって、神経の枝が非常によく増え、記憶と言われている枝が非常によく増えるということを、彼らが開発したマウスを使った独特の方法で調べることができたのです。何を起こせば記憶がよくなるかといったときに、一つは海馬の枝、つまり神経細胞を伸ばしていくことであるということが分かれば、これからは学習とは一体どういうことかといったときに、枝の出方がどうなっているかを見ればいいわけです。
2.脳神経シナプスで局所的に合成されるニューロステロイドが記憶学習モジュレーションする機構を海馬で解析。高次脳機能においては、女性・男性ホルモンは性ホルモンではなく(雄の脳も女性ホルモンを合成する)、ニューロステロイドの代表であり、神経モジュレーター・神経成長因子として働き、精神現象を規定している。これらは抑うつ症やアルツハイマー症を治す効果がある。ストレスステロイドは精神抑うつ症の要因である。KOマウスや遺伝子改変マウスを用いた解析も行っている。更に、アクチビン(性ホルモンだが、脳でも作られる)環境ホルモン(合成女性ホルモン)が、急性的に海馬の記憶学習を撹乱することを見出し、その分子機構も解析している。以上の研究から神経内分泌学を革新し神経シナプス分泌学を提唱している。
2.1 動物の背腹、頭尾はどのように決まるのかほとんどの動物は頭尾、背腹、左右の3つの体軸をもつ。アフリカツメガエルの胚発生における体軸形成は、オーガナイザーと呼ばれる領域に依存している。オーガナイザーは背側中胚葉や神経形成に必須の領域であり、我々はすでに胚の腹側では細胞増殖因子BMP の働きによってその形成や作用が抑制されていることを明らかにしてきた。
個体発生の過程では均一な細胞集団が細胞分化によって徐々に異なる性質をもった細胞集団に区画化されていく。この「パターン形成」には細胞間相互作用が必須であり、細胞増殖因子が中心的な役割を担っていることが明らかにされてきた。とくにBMP、アクチビン、ノーダルに代表されるTGF-βスーパーファミリーに属する細胞増殖因子は初期発生における体軸形成といった基本的なボディープランの確立から器官形成までパターン形成に必須の役割を担っていることが知られている。
すべての脊椎動物の体には、脊椎骨や肋骨などに代表されるように、からだの前後軸に沿って分節と呼ばれる組織の規則正しい繰り返し構造が認められる。
これまでに、形態的境界の形成には、隣接する細胞同士の相互作用が重要であることなどを見いだし、この境界形成の誘導シグナルを"セグメンター"と名付けた。また、セグメンターがNotch シグナルを介してその活性を発揮していることを見いだした。
その際、Notch 活性のオン/オフ境界が形態的分節に必須であることがわかった。
(右)抗原刺激によって産生されるIL-4産生は、T細胞抗原レセプターを介して活性化されたNFATによって誘導が制御されている。今回の研究から、記憶型T細胞ではT細胞抗原レセプター経路に加え、Notch シグナル経路がIL-4の産生に関与することが明らかとなった。Notch は、遺伝子結合タンパクであるRBP-Jを介して、IL-4遺伝子座の調節領域CNS-2に結合し、IL-4の産生をNFAT経路と協調して制御していると考えられる。
アクチビン遺伝子が少なくとも脳で過剰発現され、かつ、少なくとも活動量の上昇、情動性の異常、情報処理機構の異常、および学習記憶の異常のいずれかの表現型を有する継代可能な非ヒト動物、またはその子孫。
少なくとも脳で活性化されるプロモーターの制御下におかれたアクチビン遺伝子が導入され、かつ、継代可能であることを特徴とする非ヒト動物、またはその子孫。
アクチビンが関与する精神疾患がそう病、うつ病、そううつ病、多動性障害、自閉症、統合失調症、または外傷後ストレス障害である請求項10〜12のいずれかに記載の方法。
アクチビンが関与する記憶障害が学習記憶障害、老化に伴う記憶障害、脳血管障害に伴う記憶障害、認知症に伴う記憶障害、パーキンソン病に伴う記憶障害、またはうつ病に伴う記憶障害である請求項10〜12のいずれかに記載の方法。
追いかけていたGSK3βから一酸化窒素の産生の調節、これは発生分化から老化までに関係する基本回路の一部で、発生のところで免疫のシグナルが使われ、順序から見ると、この基本回路をアレンジして、免疫、性、記憶、闘争反応など、生存、種の保存などの大事なところで使われています。
周産期に臨界期がある男女の脳の構造もこの基本回路に関係しますが、女性は思春期にオンと周期的にオン、オフ、男性は周期性はつぶして思春期以降にはいつでもオン、種の反映・生き残りのための巧みなエネルギーの戦略があるようにおもえますが、この男女の違いを作る仕組み、たぶん同じく基本回路をつかうと免疫の仕組みと似ているような。
この基本回路、平常時に働き、生存にかかわる時に働かなくなる仕組みが組み込まれ、生存にかかわるのと同じ状態に回路の変調やエネルギーの関係で働きにくくなると働かなくなる、そんな状態が自閉症、また統合失調症やハンチントン病やその他の多くの疾患や精神障害だと。
この基本回路の、一酸化窒素や活性酸素に分解調節される細胞外マトリクスのヘパラン硫酸に調節されるアクチビン、発生段階では濃度依存的に諸器官を形成する物質で、過剰過少どちらでも神経管の形成が阻害されそうで、それが易刺激性の過敏な状態を作っているのでは。
自閉症や統合失調症などが難しいのは、この過剰過少があることで両端どちらも含まれることと、その過剰過少が一酸化窒素と活性酸素のバランスの少しの違いで反転してしまうことなのかと。
で、キーはアクチビンの状態なのだとおもいますが、そのアクチビンの状態を反映しているのが漢方の熱証寒証で、暑がり寒がりが分かりやすいその外への現れかと。
熱証:暑がりで比較的元気ですが、体に熱を帯びやすく、脳卒中や糖尿病になりやすい。
自閉症スペクトラムとハンチントン舞踏病(4):自閉症はシート状形成のVEGFか管形成のアクチビンの不足?(2)
ハンチントン病とアクチビンの関係、『さらにハンチントン病や脳虚血のモデル動物にアクチビン A を脳室内投与すると有意に病状が改善されるとする報告もある。』とすでに引用したものの中にありました。
たぶん、アクチビンが不足し、シート状の組織を管状にできないため、神経の軸索が伸びないために『症状は易刺激性やうつ状態とともに‘舞踏病’といわれる比較的速い不規則な不随意運動と情動不安が特徴』ということに。息子にもあるチックも同じことなのでは。
そして自閉症スペクトラムでは、どちらもヘパラン硫酸に調節されるシート形成のVGEFか管形成のアクチビンの不足により『最も影響を受けると思われる神経細胞としては、大脳皮質のニューロンに加えて基底核のGABA作動性、コリン作動性、エンケファリン作動性の中型有棘細胞』となる。
自閉症は、認知の問題だけでなくエンケファリンが性と摂食にも関係する闘争逃走反応の中脳中心灰白質に働くことで分かるように抑制系にも問題が出てきやすい障害だと。
ヘパラン硫酸の分解は、神経細胞内の一酸化窒素と分解する細胞外マトリクスを決めるグリア細胞からの活性酸素のスーパーオキシドの影響が大きいとおもいますので、そこに目を向けるべきなので、自閉症もハンチントン病と似た構造なら、一時期だけにダメージ受ける疾患ではないとおもいますし、そこへのケアーが必要なのでは。
アクチビンの細胞内情報伝達機構は、最近の研究によりその主要な部分が解明され、他の TGF-B ファミリーの因子、例えばTGF-B やBMPなどと基本的には多くが共通していることが判明した6, 7)。
一方、フォリスタチンはインヒビンやアクチビンと異なり一本鎖の糖タンパク質であり、その後の研究によりアクチビン結合タンパク質であることが明らかにされ、アクチビンの作用調節因子としての作用が注目を集めている8)。ここでは、アクチビン作用の多様性とフォリスタチンによるその制御機構をまとめた。
事実、アクチビンは下垂体前葉の FSH 産生細胞の数を増加させることや FSHmRNA の安定性を高める。興味深いことに、アクチビンの数多くのアイソフォームの中でアクチビン B が下垂体で産生されオートクライン因子として働き FSH 分泌を高めているという。
逆に、成長ホルモン、プロラクチン、コルチコトロピンなどの他の下垂体ホルモンの分泌はアクチビンにより抑制されると報告されている。
脳・神経系での働きに注目すべきデータが蓄積されつつある。これまでに、ある種の神経細胞の生存維持、毛様体神経節細胞の分化誘導などの作用が報告されていた。ところが、最近になって、ラットへのカイニン酸の投与によっててんかんを誘導すると海馬にBA mRNA が一過性に高まる。また、海馬に電気刺激を加え長期記憶を惹起すると、同様にBA mRNA の発現が海馬に認められている。さらにハンチントン病や脳虚血のモデル動物にアクチビン A を脳室内投与すると有意に病状が改善されるとする報告もある。
一方で、筆者らは最近、アクチビン II型受容体と相互作用する分子 ARIP1を見いだした17)。ARIP1 は WW ドメインや PDZ ドメインといったタンパク質相互作用に必要なドメインを複数個有する高分子の細胞内タンパク質であり、興味深いことに、脳に特異的に高い発現が認められる。
このような結果は、アクチビンとその細胞内シグナル伝達系が神経回路網形成に深く関わりを持っていることを示唆しているアクチビンはランゲルハンス島細胞からのインスリンの分泌を促進する。
また、ラット頭頂骨由来細胞の増殖を促進することやプロリンのコラーゲンへの取り込みを促進することなどからBMPとともに骨の形成に関与していると考えられる。
アクチビンのシグナルは2 種類のアクチビン受容体 I 型及び II 型を介して細胞内へ伝えられる。いずれもセリン/スレオニンキナーゼ型受容体である。アクチビンが恒常的にリン酸化されたII 型受容体に結合した後、この複合体と I 型受容体が会合し膜上で四量体を形成する。そのことにより I 型受容体の膜直下の GS 領域がリン酸化される。
このリン酸化により細胞内情報伝達分子である Smad のリン酸化カスケードが惹起され、アクチビンのシグナルが核まで伝達されることになる。Smad分子群の中にはシグナル伝達に対して抑制的に働くものもある。こうしたアクチビンのシグナル伝達系をフォリスタチンは細胞の外で遮断することにより、アクチビンの多彩な作用を阻害する(図4)。
その結果、アクチビンの II 型受容体への結合によって惹起される細胞内リン酸化カスケード応答反応が、FS-288によりより効果的に抑制されるものと考えられる。
フォリスタチン分子の中でも FS-288 はアクチビンと複合体を形成したままでも強く細胞表層ヘパラン硫酸に結合しうる。つまり、アクチビンは FS-288 を介して細胞表層にとどまる。その後、エンドサイトーシスにより、アクチビン/FS-288 受容体は細胞内に取り込まれて、リソソーム内でタンパク分解を受けて最終的に細胞外へ放出される21)。
アクチビンの多彩な作用発現に対して、その調節因子であるフォリスタチンもやはり多様な分子種を準備して厳密にアクチビンの働きを監視する機構が必要であるものと考えられる。アクチビンは貧血症や骨粗鬆症への治療応用が考えられている。最近、ハンチントン病に有効であるとの報告もある。他方、フォリスタチンは慢性肝炎、慢性腎炎、進行性固型癌などの患者で高値を示すことが認められている。
自閉症スペクトラムとハンチントン舞踏病(3):自閉症はシート状形成のVEGFか管形成のアクチビンの不足?
結局、ハンチントン舞踏病は、一酸化窒素が分解調節するヘパラン硫酸が調節するアクチビンの不足が軸索の形成に影響し、自閉症スペクトラムはその管形成のアクチビンが不足するタイプと、その前段階でこれもヘパラン硫酸に貯留されるシート状形成のVEGFかの不足によるのではないかと。
ヘパラン硫酸の一酸化窒素での分解が、過剰過少に振れると、VEGFかアクチビンが不足し、軸索の形成に影響する。
VEGFが不足しアクチビンが多いタイプは、影響の少ない海馬での記憶や大脳皮質での記憶の維持には問題ないが、大脳皮質での記憶の再編成は変調する。
その症状は易刺激性やうつ状態とともに‘舞踏病’といわれる比較的速い不規則な不随意運動と情動不安が特徴で、HD患者の80%もの人々が発症後10〜15年以内に何らかの精神障害をきたしています[3]。
HDをはじめとするトリヌクレオチドリピート病の病理的な特徴として、線条体の中型有棘細胞(medium-sized spinyneuron)の細胞質、核、軸索末端にβ-シート構造のユビキチン化されたポリグルタミン含有タンパク質凝集体の蓄積がみとめられます[7]。
HDによって最も影響を受けると思われる神経細胞としては、大脳皮質のニューロンに加えて基底核のGABA作動性、コリン作動性、エンケファリン作動性の中型有棘細胞があります。
アクチビンは血管内皮細胞に作用し,管腔形成を促進して血管新生促進作用をもつ。一方,フォリスタチンはこのアクチビン作用に拮抗し,血管新生抑制作用を示す。アクチビンはVEGFのもつ血管新生作用を仲介しているため、VEGFのもつ血管新生作用はフォリスタチンによって完全に抑制される。したがってアクチビン及びフォリスタチンはそれぞれ血管新生の促進及び抑制に有効である。
もう一度記事を読み直してみると、『細胞質、核、軸索末端にβ-シート構造のユビキチン化されたポリグルタミン含有タンパク質凝集体の蓄積』というのが、これはシート状のものを管にするアクチビンが不足しているということ。
一酸化窒素が分解調節するヘパラン硫酸が調節するアクチビンの変調が軸索の形成に影響し、記憶の再編成に影響しているのではとおもっていましたが、易刺激性などにも影響する、これが傍証になるのでは。
ハンチントン病(HD)は常染色体優性遺伝型の神経変性疾患で、北米ではおよそ15,000人に1人の割合で発症します。
その症状は易刺激性やうつ状態とともに‘舞踏病’といわれる比較的速い不規則な不随意運動と情動不安が特徴で、HD患者の80%もの人々が発症後10〜15年以内に何らかの精神障害をきたしています[3]。
この疾病の遺伝子欠陥は染色体4pに特定され、ハンチンチンというタンパク質をコードするHD遺伝子の異常型は、そのN末端領域にポリグルタミン鎖の伸長を惹起するシトシン-アデニン-グアニン(CAG)のトリヌクレオチドリピート配列を含んでいます。
そしてその繰り返し数の増加が発症時期や疾患の重症度に影響しています(多くは36以上で、繰り返し数が11〜34の間は正常範囲と考えられている)。
世代を追うごとにリピート長が増加し発症時期が早くなりますが、70以上のトリヌクレオチドリピートはまだ確認されておらず、おそらく胎児の段階で死滅するものと思われます[6]。
HDをはじめとするトリヌクレオチドリピート病の病理的な特徴として、線条体の中型有棘細胞(medium-sized spinyneuron)の細胞質、核、軸索末端にβ-シート構造のユビキチン化されたポリグルタミン含有タンパク質凝集体の蓄積がみとめられます[7]。
HDによって最も影響を受けると思われる神経細胞としては、大脳皮質のニューロンに加えて基底核のGABA作動性、コリン作動性、エンケファリン作動性の中型有棘細胞があります。
死んだ細胞は次第にアストロサイトに置き換わり側脳室前角が拡大して錐体外路運動系への抑制シグナルが減少することにより[6]、不随意運動が起こります。
アクチビンは血管内皮細胞に作用し,管腔形成を促進して血管新生促進作用をもつ。一方,フォリスタチンはこのアクチビン作用に拮抗し,血管新生抑制作用を示す。アクチビンはVEGFのもつ血管新生作用を仲介しているため、VEGFのもつ血管新生作用はフォリスタチンによって完全に抑制される。したがってアクチビン及びフォリスタチンはそれぞれ血管新生の促進及び抑制に有効である。
ネットでハンチントン舞踏病のページを見ていると、前後をつなぐGSK3βは出てきませんが、自閉症の関連ルートだと思っているところに問題がある疾患で、『易刺激性やうつ状態とともに‘舞踏病’といわれる比較的速い不規則な不随意運動と情動不安』と自閉症ともかなり重なる症状。
下記のインスリン成長因子-1はたぶんIGF-1でそこからAKTを通じたGSK3βの抑制は、エストロゲンの関係でも取り上げたところ。
結局、ハンチントン舞踏病はまだよく分かっていない一酸化窒素による外部マトリクスを通じたGSK3βのフィードバックの障害なのでは。
最も影響を受ける神経系としてあげられているエンケファリンは、モルヒネ様物質で闘争逃走反応やフリーズと関係する中脳中心灰白質に影響するもの、易刺激性やうつ状態や情動不安と関係するのだろうと。
ここが上げられている神経系に影響する構造がわかれば、自閉症スペクトラムの構造もかなり分かってくることになるとおもいます。
ハンチントン病(HD)は常染色体優性遺伝型の神経変性疾患で、北米ではおよそ15,000人に1人の割合で発症します。
その症状は易刺激性やうつ状態とともに‘舞踏病’といわれる比較的速い不規則な不随意運動と情動不安が特徴で、HD患者の80%もの人々が発症後10〜15年以内に何らかの精神障害をきたしています[3]。
HDによって最も影響を受けると思われる神経細胞としては、大脳皮質のニューロンに加えて基底核のGABA作動性、コリン作動性、エンケファリン作動性の中型有棘細胞があります。死んだ細胞は次第にアストロサイトに置き換わり側脳室前角が拡大して錐体外路運動系への抑制シグナルが減少することにより[6]、不随意運動が起こります。
線条体グルタミン酸レセプターの減少はN-メチルD-アスパラギン酸(NMDA)レセプター、特にNR2B型を介したグルタミン酸作動性の神経伝達を亢進すると考えられており、興奮毒性がHDにみられる神経死に関与する可能性を支持しています[9,10]。
よってグルタミン酸レセプターのアンタゴニストはHDの研究、そしていずれはその治療にも役立つと考えられます。
ポリグルタミン伸長を含む変異型のハンチンチンはNMDA型・カイニン酸型のグルタミン酸レセプターとPSD-95(シナプス後肥厚部タンパク質-95)の結合を妨害することによりレセプターの過感受性とカルシウム流入の上昇をもたらし、多くのキナーゼ活性化を介して最終的にはアポトーシスに至る反応が生じると考えられます[11]。
一方最近の報告で、インスリン成長因子-1が変異型ハンチンチンにより特異的に誘導される神経死をセリン/スレオニンキナーゼAkt/PKBの活性化を介して阻害し、変異型ハンチンチンの核内封入体の形成を減少させるといわれています[19]。
このデータは、IGF-1/Akt経路がこの疾病の治療法のターゲットとなる可能性を示しています。
自閉症に関係するとおもっているGSK3βが調節する一酸化窒素に関するルート、『発生分化』という言葉がキーワードになるほどに生命の基本的なところと関係するみたいですが、免疫系と中枢神経系とは似ているといわれていた渋谷先生の免疫を読み直していると、『ところが最近、ショウジョウバエの腹背軸の決定に関与するToll遺伝子のほ乳類の相同遺伝子(Toll-like receptor; TLR)が発見され』というのが目に入って来ました。
神経の再編成にも、この自然免疫の機構を使い、自閉症ではそれが自由度がなく偏っているために、活動依存的にできるフィルターの粗密ができずに、重要なことの抽出が起こらないのでは?
TRAF6と関係する活性酸素の作用を受けるのがASK1、略称ASKという団体に所属していますので、何か縁は感じていましたが、ここにつながってくるとは。
まだ、たぶんという言葉が付くところは多いのですが、自閉症を含めいろいろな疾患の構造が、ここのつながりを意識することでみえてくるのでは?
ところが最近、ショウジョウバエの腹背軸の決定に関与するToll遺伝子のほ乳類の相同遺伝子(Toll-like receptor; TLR)が発見され、これらが病原体の様々な成分を認識し、樹状細胞などに活性化シグナルを伝えることがわかってきた。
TNF受容体ファミリー、IL-1R/TLRファミリーのシグナルを伝達するTRAF6は自然免疫で重要な役割を果たすが、T細胞特異的に欠損させると予想外にも多臓器炎症性疾患へとつながることを見いだした。
TRAF6を欠損したT細胞は、PI3K-Akt経路の過剰な活性化を示し、その結果CD4+CD25+制御性T細胞による抑制に対して耐性になる。これらのデータは、TRAF6の抹消での免疫寛容維持における今まで知られていなかった役割を同定したものであり、またレスポンダーT細胞を寛容にするためのシグナルに感受性を高める内在性制御機構がエフェクターT細胞に存在することを示唆するものである。
生物の初期発生において、腹と背を分ける体軸の形成は、背側に神経管が発達するなど一つの受精卵が細胞集団を作り上げていく上で重要な役割を果たしています。研究グループでは今回、免疫系に関与するカルシウム依存性転写調節因子「NF-AT」にカルシウムシグナルが作用することによって、腹側化シグナルとして働くことを明らかにするとともに、NF-ATが、背側化と関連するGSK-3と呼ばれる酵素に作用し、腹側化を促すことを見いだしました。このGSK-3は、脳の老化との関連が指摘されています。
以上の結果から、IP3受容体やNF-ATの腹側化シグナルがGSK3-βを含む背側化シグナルとクロストークしていることが明らかになりました(図5)。
GSK3-βは、脳の老化などの原因による神経細胞死を引き起こす際に、神経細胞内で活性化されている酵素の一つとして見いだされており、アルツハイマー病との関連も指摘されています。この酵素の活性により体軸形成の異常が消失するという今回の私たちの成果は、GSK3-βの活性が脳の老化だけでなく初期発生と密接に関連するという極めて興味深い結果を示しています。
ショウジョウバエの発生過程では,形態形成に伴って多くの細胞がアポトーシスで死に,ヘモサイトやその他の食細胞により除去されています。特に,変態過程では,幼虫組織の崩壊と細胞貪食やオートファジー経路を介する分解,そして成虫組織の再構築が起きています。また,変態時の神経細胞では,幼虫型神経軸索が部分的に刈り取られ(axon pruning) ,そこから成虫型の軸索が再構築されて機能を獲得します。これらの複雑な現象はすべて,たった二種類のホルモンにより調節されていることが知られていますが,組織細胞の死と貪食による排除のしくみは未だよくわかっていません。
胸腺の微小環境は胸腺上皮細胞(thymic epithelial cells:TECs)によって形成され、自己免疫寛容の誘導や、T細胞の発生に必須である。しかし、TECsの分化や胸腺の機能的構築の基礎となる分子機構は十分に理解されていない。今回われわれは、TRAF6の欠損によって、胸腺髄質上皮細胞(mTECs)が無秩序に分布し、成熟mTECsが消失することを報告する。TRAF6欠損マウスの胎仔から胸腺ストローマを採取し、胸腺のないヌードマウスに移植すると、自己免疫応答が誘導された。したがって、TRAF6は胸腺ストローマの発生を誘導しており、自己免疫寛容や自己免疫応答の制御において非常に重要な因子である。
この論文ではASCおよびIPAFのノックアウトマウスを作製し、これらのノックアウトマクロファージで病原体に応答したカスパーゼ1の活性化が起こるか調べた。(ASC、IPAFについては「Nodファミリーの謎物語参照」を参照)
ASCの欠損マクロファージはTLRアゴニストとATPによって誘導されるカスパーゼ1の活性化およびIL-1β、IL-18の産生が起こらなかった。また、ASCノックアウトマウスはLPSによるエンドトキシンショックに耐性になった。さらに、ASCのノックアウトマクロファージはサルモネラ菌に応答したカスパーゼ1の活性化も起こらなかった。
一方、IPAFの欠損マクロファージはTLRアゴニストとATPによって誘導されるカスパーゼ1の活性化およびIL-1β、IL-18の産生には影響を与えなかったが、サルモネラ菌に応答したカスパーゼ1の活性化は起こらなかった。
さらに、ASCやIPAFの欠損マクロファージはサルモネラ菌に応答したアポトーシスも起こらなくなった。
これらのことから、ASCおよびIPAFは病原体に応答したカスパーゼ1の活性化に必須であることが示唆された。
細菌やウイルスなどに感染すると、それらを体内から迅速に排除するため自然免疫システム*2という生体内防御機構が活性化する。自然免疫システムがひとたび病原体の感染を感知すると免疫応答に必須な炎症性サイトカイン*3が産生され、生体内で炎症を引き起こす。一方で、なんらかの原因によりこれらの防御反応が異常に亢進すると、アレルギーや自己免疫疾患の原因にもなる。病原体の感知には、細胞膜受容体であるTLRファミリー*4が重要な働きをしていることが知られているが、本研究では、このファミリーのうち、TLR4という受容体の活性化に伴って特異的に活性酸素が産生され、さらに活性酸素を介して、タンパク質リン酸化酵素であるASK1が活性化されることによって、サイトカインが効率よく産生される仕組みを明らかにした。また、ASK1を働かなくしてしまったマウスにおいては、TLR4受容体活性化によって引き起こされる炎症性サイトカインの過剰産生や、それに伴うショック死が起こりにくくなっていることが判明した。
活性酸素が炎症やアレルギーの症状を亢進させる可能性についてはこれまでも注目されていたが、そのターゲットの実体が明らかとなったのは初めてであり、アレルギー性疾患や自己免疫疾患などの新たな治療法の開発に繋がるものと期待される。
今回の論文の概要: 一條教授らの研究チームは、病原体を感知する細胞膜受容体であるTLRファミリーのうち、TLR4という受容体の活性化に伴って特異的に活性酸素が産生され、さらに活性酸素を介してタンパク質リン酸化酵素であるASK1が活性化されることによって、サイトカインが効率よく産生される仕組みを明らかにした。ASK1の活性化には、ASK1をTLR4受容体に集めるために働くTRAF6というタンパク質がASK1に結合することがまず必要であり、この結合は活性酸素の産生が引き金となって起こることが分かった。ASK1が活性化した後のステップとして、p38という別のタンパク質リン酸化酵素が引き続いて活性化されることも見出された(図2)。 さらにASK1を働かなくしてしまったマウスにおいては、p38タンパク質リン酸化酵素の活性化、またTLR4受容体の活性化によって引き起こされる炎症性サイトカインの過剰産生や、それに伴うショック死が起こりにくくなっていることが判明した。これらの仕組みは、これまで線虫と呼ばれる進化の上で原始的な生物に存在することは分かっていたが、ヒトやマウスのような高等哺乳動物にも共通して備わっている生物に普遍的なものであることが今回初めて明らかとなった。また、これまでにも炎症や感染時に産生される活性酸素の役割については注目されてきたが、その活性酸素がターゲットとする分子機構の実体は不明であり、本研究で初めてその実体がASK1であることが突き止められた。
ムコ多糖III型患者さんから排泄されたオリゴ糖がミクログリアを活性化し、種々のサイトカインを分泌することをマウスを用い見出した。正常人のムコ多糖や、牛のヘパラン硫酸では認められない。どのような系で活性化が起こるかを検討するためTLR4やMyoD88のないマウスとムコ多糖III型マウスを用い検討し、これらの系も関与しているが、他の系の関与も考えられた。
なぜ、TRANCE-RANK-TRAF6シグナリングがvivoでの破骨細胞分化に重要なのかは謎のままである。 CD40とIL-1R/TLRを含む他の免疫受容体は前駆破骨細胞上に発現しており、TRAF6を用いてオーバーラップしている シグナリングカスケードを活性化するが、破骨細胞分化は誘導しない。私たちはこれらの観察結果より、 TRANCE/RANKシグナルと他のリガンド/レセプターペアに誘導されるTRAF6関連シグナルには、 質または量の違いがあるのではないかという疑問を抱いた。
自閉症は、GSK3βやPSD95、nNOSのかかわる一酸化窒素の産生の調節が偏ることが原因で起こる障害だとおもい追いかけていますが、ここに関係する女性の性周期で使われるパルス、サージで見直してみると、いろいろなところにパルス・サージの関係がありそうで、それに一酸化窒素が関係する仕組みが絡んでくるのだろうと。
大まかな仕組みはGABAがブレーキになっているパルスのゲインを平常心のホルモンセロトニンがコントロールし、そのGABAをモルヒネ様物質のエンドルフィンなどが抑制することでサージの状態になる。
女性の性周期のほか、まず浮かんだのが痛覚、そして脳の臨界期ですが、次にランナーズハイ、性に関して、また陣痛、授乳など、その外自閉症には、パニックや睡眠なども関係しないかと。
記憶もセロトニン、GABAの関連でパルスに関係しそうですが、そのサージとはなになのか?
てんかんは一酸化窒素によるアストロサイトのグルタミン酸トランスポーターGLT-1の抑制が関係するかも。
セロトニン神経は、トリプトファンから細胞内酵素により作られるセロトニンを、神経終末から放出して、標的神経のセロトニン受容体に作用する神経である。セロトニン含有神経、あるいはセロトニン作動性神経(serotonergic neuron)と呼ばれることも多いが、ここではセロトニン神経(serotonin neuron)と表現する。
セロトニン神経の細胞体は脳の正中部に分布するという点でユニークである。多くの神経系が両側に分布するのとは異なり、正中に位置するということは、生命活動の根幹と深く関連した特別の神経系であることを考えさせる。発生学的に最も古い脳である脳幹の正中部に、縫線核群があり、そこにセロトニン細胞は分布する(図1上段)。
それでは、セロトニン神経は何によって興奮するか?興味深いことに、脳内のパターン形成機構によって発現するリズム性運動が、セロトニン神経の活動を増強させる。歩行運動、咀嚼運動、呼吸運動、グルーミングなど、リズム性運動が繰り返されると、セロトニン神経の自発性発射頻度が増強するのである(図4)。
パルスジェネレータは男性にもあるが,サージジェネレータは女性にしかなく,月経周期を形成する上で重要な役割を担っている(田中,1998)。神経内分泌系のメカニズムを調べることは技術的に難しいために,これらのジェネレータのメカニズムもまだ解明されたとは言い難いが,最近になっていくつかの知見が得られてきている。
すなわち,通常の状態ではGnRH サージジェネレータはGABA ニューロンによって抑制されていて,卵胞が成熟してエストロゲンへの曝露が一定の値と時間を超えると,それが排卵準備完了のサインとなってGABA ニューロンの作用を止め,GnRH サージが起こるというメカニズムである。これはエストロゲンの正のフィードバック作用と呼ばれる(田中,1998)。
普段は介在性ニューロンであるGABA ニューロンによって下行性抑制系は抑制されているが、生体内オピオイドの刺激やモルヒネの投与によりオピオイドニューロンが活性化されると、 GABAニューロンが抑制されて、下行性抑制系が活性化される。
またGABAニューロンには抑制性セロトニン受容体である5−HT1Aが存在しているため、パキシル(パロキセチン)、トレドミン(ミルナシプラン)をはじめとする抗うつ薬はNE、5−HT再取り込み阻害作用により下行性抑制系を賦活化し、疼痛を緩和させる。
自閉症で、早く閉じたり、後ろにずれたりするのではないかという臨界期は女性の性周期と似た仕組み?
『自閉症は、GSK3βやPSD95、nNOSのかかわる一酸化窒素の産生の調節が偏ることが原因で起こる障害だとおもいますが、エストロゲンもこの一酸化窒素の産生の調節を使い、周産期に臨界期のある脳の男性化にも関係し、その影響は思春期以降のテストステロンやエストロゲンの上昇により大きくでる。』
自分でも思わぬ方向に進んでいますが、GnRH パルスジェネレータ,GnRH サージジェネレータ、GABAやオピオイド(モルヒネ様の物質)、これらが制御する女性の性周期と痛覚の下行性抑制と中脳中心灰白質や腹内側核とかなり似ているようです。
とおもっているうちに、臨界期(感受性期)もGABAが関係するようなのでとおもって検索すると、下記の対談。どうも臨界期と女性の性周期は似た仕組みと考えられそうです。
『一つは、発生段階で使われた分子が、発達期に別の役割で現れることです。生後の脳では、できあがった神経回路の活動に応じて可塑性が起こりますが、そのとき発生段階の分子がおもしろい役割を果たしていそうです。』はアクチビンのこと?
『もう一つは、可塑性が起こっていけない時期に起こらないようにさせるブレーキ的な分子がわかってきました。可塑性が起こらない、つまり柔軟に脳が組み換えられないようにする分子が、いくつか存在しています。もしかしたら、可塑性を引き起こすメカニズムは常にあり、それをうまく抑えることで、臨界期らしき現象が現れているのではないかと考えています。』は、女性の性周期と似た仕組みが働くということ?
一酸化窒素にこだわるのも、研究している方が中枢神経系や記憶と似ていると書かれている免疫系や脊髄の痛覚にどちらも役割を果たしているというのにという『ずらし』の考え方からですが、女性の性周期や臨界期なども『ずらし』の考え方でいけるのかも。
大隅 先生は発達段階を研究していらっしゃいますが、私は、その前の初期の脳ができあがるような時期と、大人になってから脳の神経細胞が生まれるところを見ています。昔は、3歳ぐらいのときに脳細胞の数がいちばん多くて、あとはどんどん死んでいくだけと言われていましたが、15年くらい前から、大人の脳でも神経細胞が生まれていることがわかりました。できあがった脳というのは、コンピュータの素子がピッシリ入っていて、入力によってつなぎかたが変わるだけではなく、素子が新たに加わっていくという見方になりました。大人の脳でも神経細胞が新たに生まれることができるのは、神経幹細胞がずっと残りつづけているからです。そして、最近、わかってきたことは、生まれる前の赤ちゃんの状態で使われている分子メカニズムが、大人の脳のなかでも働いているということです。ヘンシュ先生のところでいちばんホットな研究というと何でしょうか。
ヘンシュ 臨界期の脳の柔軟性を「可塑性」とよびます。私たちは、遺伝子を操作して、生後の脳の臨界期を操作することに成功しましたが、その臨界期の可塑性を今度は大人によみがえらせる手法を調べています。
ヘンシュ はい。二つほどおもしろい結果が出つつあります。一つは、発生段階で使われた分子が、発達期に別の役割で現れることです。生後の脳では、できあがった神経回路の活動に応じて可塑性が起こりますが、そのとき発生段階の分子がおもしろい役割を果たしていそうです。もう一つは、可塑性が起こっていけない時期に起こらないようにさせるブレーキ的な分子がわかってきました。可塑性が起こらない、つまり柔軟に脳が組み換えられないようにする分子が、いくつか存在しています。もしかしたら、可塑性を引き起こすメカニズムは常にあり、それをうまく抑えることで、臨界期らしき現象が現れているのではないかと考えています。
ヘンシュ そうですね。私は、最近、自閉症などは、臨界期の異常ではないかと考えています。自閉症はいまアメリカで増加していて、160人に1人が自閉症という高い率になっています。この原因はよくわかりません。病気が認識される率が高くなっただけなのか、実際に増えているのかはわかりません。
私たちの研究で、大脳皮質にある2種類の神経細胞、興奮性細胞と抑制性細胞では、抑制性細胞のほうが臨界期の開始の時期設定をしていることがわかっています。興奮と抑制のバランスがうまく取れない場合に、統合失調症や自閉症につながる可能性があります。遺伝子の研究からも、興奮と抑制を調整する遺伝子がかかわる可能性が見えてきています。特に自閉症は、3歳以降に正常な発達過程からずれますので、臨界期の神経回路網を組み換える大事な時期に、環境からの影響を受けて症状が出ていると考えられます。
ヘンシュ 仮説としてはそうです。早く閉じたり、後ろにずれたりするのではないかと。いま、ボストン小児病院で研究をしていますが、興奮と抑制のバランスを操作すると、少なくともマウスでは、臨界期を後ろにずらす、あるいは早めることができます。もしかしたら、自閉症では、ある脳機能は、臨界期をまだ迎えていない。別の脳機能は臨界期を早く閉じてしまい、天才的な面もあるし、機能が発達しない面もあるということになるのではないかと思います。
大隅 いまお話を聞いていて、興奮性と抑制性のバランスのところが非常に重要だと思いましたが、そこにもう一つ、私としては「役者」を加えたいと思うんです。それは、グリア細胞といわれるものです。グリアは、日本語では、神経膠細胞といいます。グリア細胞の一つ、アストロサイトは、血管と神経細胞の間の橋渡しの役割をしています。例えば血管のなかに入ってくるいろいろなホルモンやサイトカインなどの分子や栄養を神経細胞に届ける。そこの微調整が悪いと、いろいろなアンバランスが起きてくる可能性があります。
パルスジェネレータは男性にもあるが,サージジェネレータは女性にしかなく,月経周期を形成する上で重要な役割を担っている(田中,1998)。神経内分泌系のメカニズムを調べることは技術的に難しいために,これらのジェネレータのメカニズムもまだ解明されたとは言い難いが,最近になっていくつかの知見が得られてきている。
すなわち,通常の状態ではGnRH サージジェネレータはGABA ニューロンによって抑制されていて,卵胞が成熟してエストロゲンへの曝露が一定の値と時間を超えると,それが排卵準備完了のサインとなってGABA ニューロンの作用を止め,GnRH サージが起こるというメカニズムである。これはエストロゲンの正のフィードバック作用と呼ばれる(田中,1998)。
胎児は常にエストロゲンに曝されているが,胎児の血液中にはαフェトプロテインというエストロゲン結合タンパクがあってエストロゲンは脳血液関門を通過できない一方で,テストステロンは脳血液関門を通過でき,脳内でアロマターゼという酵素によって芳香化されてエストロゲンになり,脳内のエストロゲンレセプターに結合し,視索前野−視床下部や辺縁系の扁桃核に分布するこれらのレセプターをもつニューロンの「予定死」を促進したり阻止したりして雌型神経回路の形成を抑え(この過程でGnRH サージジェネレータが失われる),その後にテストステロンに反応する雄型神経回路が形成されるというのである(田中, 1998)。
その後の研究から,中脳中心灰白質と視床下部腹内側核との間には密接な神経繊維の連絡があることや,腹内側核がエストロゲンによって引き起こされる発情期特有の生理的変化の中枢であることから,中脳中心灰白質は腹内側核からの刺激を受け取ってロードシスという反射につなげる部位であると想定されている。腹内側核は満腹中枢としても知られ,GnRH レセプター,エストロゲンレセプターのみならずレプチンレセプターも存在し,腹内側核に隣接する弓状核(Arc) にもGnRH レセプターとレプチンレセプターが存在し,弓状核で産生されるニューロペプチドY (NPY) による食欲亢進シグナルがレプチンの結合によって制御されることが注目されている。思春期になって食欲がなくなるのも,これら神経伝達物質と視床下部ニューロン群の作用の結果と考えられるが,この点については次節で詳しく触れる。
普段は介在性ニューロンであるGABA ニューロンによって下行性抑制系は抑制されているが、生体内オピオイドの刺激やモルヒネの投与によりオピオイドニューロンが活性化されると、 GABAニューロンが抑制されて、下行性抑制系が活性化される。
またGABAニューロンには抑制性セロトニン受容体である5−HT1Aが存在しているため、パキシル(パロキセチン)、トレドミン(ミルナシプラン)をはじめとする抗うつ薬はNE、5−HT再取り込み阻害作用により下行性抑制系を賦活化し、疼痛を緩和させる。
自閉症は、GSK3βやPSD95、nNOSのかかわる一酸化窒素の産生の調節が偏ることが原因で起こる障害だとおもいますが、エストロゲンもこの一酸化窒素の産生の調節を使い、周産期に臨界期のある脳の男性化にも関係し、その影響は思春期以降のテストステロンやエストロゲンの上昇により大きくでる。
記憶の良いタイプの自閉症の人の予後が難しいのは、この周産期に臨界期のあるこの脳の超男性化が思春期以降にでてくるからだと。
このGSK3βが関係する疾患の統合失調症や躁うつ病(双極性障害)にもこの影響はあり、最近問題の「キレる」ということも。
マグネシウムの不足、炎症性の物質を多く生むリノール酸などの過剰が、細胞へのNMDA受容体からのカルシウム流入に影響し、この周産期に臨界期のある脳の男性化に影響しているのだろうとおもいます。
行動上の性別はラットでは周産期に遺伝的性別とは関わりなく決定され、「臨界期」に実験的な操作により、性的表現型が容易に変わります。例えば、芳香化するアンドロゲンの1 種であるテストステロンは、雄性化を生じさせ、その結果、雄性の内分泌または行動が現れます。雌または新生児期に去勢した雄では、芳香化するアンドロゲンが存在せず、雌の特徴が現れます。
その産物であるエストロゲンは、核または未知の膜受容体を通して、ニューロンの成長、シナプス形成、髄鞘形成の遺伝子制御を制御し、脳の男性化を生じさせます。この素晴らしいシステムにおける問題は、エストロゲン結合タンパクが過量のエストロゲンによって飽和状態になると、エストロゲン結合タンパクはエストロゲン受容体に容易にアクセスし、エストロゲン様作用のある他の非ステロイド系分子は、ジエチルスチルベストロール(DES)の場合と同様に、認識されずに脳に進入し、エストロゲン受容体αと考えられるエストロゲン受容体と結合します。
エストロゲン受容体分子の独特の特性は、性分化の時期または成体においても、その発現はそのリガンドによって制御されていることです。
視床下部の腹内側核はエストロゲンの主なターゲットであり、雌ラットのロードシス反射を促進させます。この構造を電気刺激するとロードシス反射を強化し、腹内側核を電解により損傷するとロードシス反射を減少させます。
要 約 ヤギの発情期における摂食行動の低下は,主としてエストロジェンによってもたらされ,その作用を仲介する中枢神経機構として視床下部腹内側核の一酸化窒素が関与していることが示された。
カルシニューリン・シグナリングは、カルシウムによって活性化される細胞内情報伝経路で、免疫応答に関与するT細胞の活性化、心臓の形成、細胞分裂、行動記憶などを行うのに必要な様々な遺伝子群のスイッチを押します。
グリコーゲン合成酵素キナーゼ3(GSK3)は、二つの異性体(αおよびβ)からなるセリン/トレオニンタンパク質キナーゼであり、これらは異なる遺伝子によりコードされるが、触媒ドメイン内で高度に相同性である。GSK3は中枢および抹消神経系で高度に発現される。GSK3は、タウ、β−カテニン(catenin)、グリコーゲン合成酵素、ピルビン酸脱水素酵素および延長開始因子2b(eIF2b)を含む幾つかの基質をリン酸化する。インスリンおよび成長因子はプロテインキナーゼBを活性化し、これはGSK3をセリン9残基上でリン酸化し、それを不活性化する。
成長因子で仲介されるPI3K/Akt経路の活性化は、神経細胞の生存において基本的役割を果たすことが示されている。この経路の活性化はGSK3βの阻害を引き起こす。最近の研究(Bhatら,PNAS 97:11074−11079(2000))は、脳虚血のような神経変性の、または成長因子の奪取後の細胞および動物モデルにおいて、GSK3β活性が増加することを示している。例えば、活性化部位のリン酸化は、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病およびHIV性痴呆、虚血性卒中および頭部外傷のような慢性および急性神経変性性疾患で生じると一般的に考えられる細胞死の1種であるアポプトーシスを受けやすいニューロンで増加した。リチウムは、細胞内および脳内でのアポプトーシスの阻害において、GSK3βの阻害を引き起こした用量で神経保護性であった。従って、GSK3β阻害剤は、神経変性性疾患の進行を弱めるのに有用であろう。
双極性異常は、躁病エピソードおよびうつ病エピソードを特徴とする。リチウムは、その気分の安定化効果に基づいて、BDを処置するために使用されてきた。
GSK3は、多数の細胞性過程の、特に神経の発達中のシグナル変換カスケードに関与する。
インスリンは、グリコーゲン合成酵素の脱リン酸化、従って活性化により、骨格筋におけるグリコーゲン合成を刺激する。休息状態において、GSK3は脱リン酸化によりグリコーゲン合成酵素をリン酸化し、そして不活性化する。
統合失調症は、人口の約1%が罹患すると言われている精神疾患で、思春期・青年期に発症することが多い。幻覚や妄想、思考の障害、自発性の低下、感情の平板化などを主要な症状とし、社会的機能低下も問題となる。統合失調症の発症には、他の多くの精神疾患と同様に複数の遺伝的要因と環境要因が複雑に相互に作用していると考えられているが、発症への個々の遺伝子の関与は大きくないといわれている。環境要因では、飢饉の他、妊娠中のインフルエンザ感染、冬季出生、周産期障害、母子のRh血液型不適合などが、統合失調症の発症率を若干増加させることが知られている。
闘争逃走反応や恐怖に関係する中脳中心灰白質と、性行動や満腹中枢の腹内側核との密接な連絡
一酸化窒素を産生するnNOSの『非常に濃密な含有神経の分布がある』のが中脳中心灰白質で、闘争逃走反応や痛覚の抑制、恐怖反応の仲介などと関係する、まさに自閉症で問題になる箇所だとおもっていますが、その後ikettieさんのブログの『一酸化窒素と性周期』に出会い、nNOSが細胞外マトリクスの分解を通じて女性の性周期とたぶん関係するのだろうと。
そして、調べると中脳中心灰白質とエストロゲン、一酸化窒素の関係はいろいろでてきます。
満腹中枢でエストロゲンとも関係深い視床下部腹内側核がその中脳中心灰白質が密接に関係するようで、闘争逃走反応や痛覚の抑制、恐怖反応の仲介などと関係する中脳中心灰白質をその方からも考えないといけないようです。キレるとも関係しそうな中脳中心灰白質、自閉症の予後にも大きく関係しそうで、ここのコントロールは大事なところだと。
『テストステロンは脳血液関門を通過でき,脳内でアロマターゼという酵素によって芳香化されてエストロゲンになり,脳内のエストロゲンレセプターに結合し,視索前野−視床下部や辺縁系の扁桃核に分布するこれらのレセプターをもつニューロンの「予定死」を促進したり阻止したりして雌型神経回路の形成を抑え(この過程でGnRH サージジェネレータが失われる),その後にテストステロンに反応する雄型神経回路が形成されるというのである』
躁うつ病の薬リチウムは、GSK3βを通じ、このnNOSが細胞外マトリクスの分解する経路に働き、このルートの躁とうつを招く振動は細胞外マトリクスの分解する種類を変える酸化ストレスの変動によるモノではないかとおもっていますが、自閉症ではニューロンの「予定死」の変調が起こっていることを考えると、性周期を生むGnRH サージジェネレータが男性でも生き残っている可能性も。
アンドロゲンは脳の神経細胞内で芳香化酵素によりエストロゲンに変換されて作用する。これはエストロゲンにより脳の雄化が生じることを意味する。実験的にもエストロゲンが性分化を引き起こすことが証明されている。
このように、新生期のエストロゲンによって、中隔外側部から直接中脳中心灰白質に投射される神経の量が変化することが明らかになった。しかし、これが中隔の抑制力とどのような関係があるのか全く不明である。
パルスジェネレータは男性にもあるが,サージジェネレータは女性にしかなく,月経周期を形成する上で重要な役割を担っている(田中,1998)。神経内分泌系のメカニズムを調べることは技術的に難しいために,これらのジェネレータのメカニズムもまだ解明されたとは言い難いが,最近になっていくつかの知見が得られてきている。
すなわち,通常の状態ではGnRH サージジェネレータはGABA ニューロンによって抑制されていて,卵胞が成熟してエストロゲンへの曝露が一定の値と時間を超えると,それが排卵準備完了のサインとなってGABA ニューロンの作用を止め,GnRH サージが起こるというメカニズムである。これはエストロゲンの正のフィードバック作用と呼ばれる(田中,1998)。
外性器の性分化も胎生8週ころからテストステロンの作用で起こる。視床下部のGnRH パルスジェネレータによるGnRH 放出によって刺激を受けた下垂体からLH とFSH がパルス状に分泌され,これらが精巣の間質細胞を刺激してテストステロンを分泌させる。胎生14〜20 週頃にはテストステロン濃度が急上昇し,脳の性分化が起こると言われている(「アンドロゲンシャワー」と呼ばれる。アンドロゲンとはテストステロンに代表される男性ホルモンの総称である)。脳の性分化のメカニズムはヒトのデータは乏しいが,ラットの実験から得られた知見から,次のように推測されている。
胎児は常にエストロゲンに曝されているが,胎児の血液中にはαフェトプロテインというエストロゲン結合タンパクがあってエストロゲンは脳血液関門を通過できない一方で,テストステロンは脳血液関門を通過でき,脳内でアロマターゼという酵素によって芳香化されてエストロゲンになり,脳内のエストロゲンレセプターに結合し,視索前野−視床下部や辺縁系の扁桃核に分布するこれらのレセプターをもつニューロンの「予定死」を促進したり阻止したりして雌型神経回路の形成を抑え(この過程でGnRH サージジェネレータが失われる),その後にテストステロンに反応する雄型神経回路が形成されるというのである(田中, 1998)。
その後の研究から,中脳中心灰白質と視床下部腹内側核との間には密接な神経繊維の連絡があることや,腹内側核がエストロゲンによって引き起こされる発情期特有の生理的変化の中枢であることから,中脳中心灰白質は腹内側核からの刺激を受け取ってロードシスという反射につなげる部位であると想定されている。腹内側核は満腹中枢としても知られ,GnRH レセプター,エストロゲンレセプターのみならずレプチンレセプターも存在し,腹内側核に隣接する弓状核(Arc) にもGnRH レセプターとレプチンレセプターが存在し,弓状核で産生されるニューロペプチドY (NPY) による食欲亢進シグナルがレプチンの結合によって制御されることが注目されている。思春期になって食欲がなくなるのも,これら神経伝達物質と視床下部ニューロン群の作用の結果と考えられるが,この点については次節で詳しく触れる。
独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、躁うつ病(双極性障害)※1によく似た行動異常を引き起こすモデル動物を作り、ミトコンドリア機能障害※2が躁うつ病に関係していることを明らかにしました。
また、普通のマウスでは見られない、性周期に伴った顕著な行動量の変化も見られました。これは躁うつ病患者に見られる“躁”状態および“うつ”状態といった気分の波の変化によく似ています。これらの行動異常は、リチウムの投与により改善し、また躁うつ病患者に投薬すると症状が悪化する三環系抗うつ薬※5によってより顕著になりました。
NOとスーパーオキシドでできるペルオキシナイトライトによってコラーゲン分解酵素が活性される
『自閉症スペクトラムは本来活動依存的に一酸化窒素に分解される細胞外マトリクスのヘパリン硫酸の分解の変調』とおもっていますが、その仕組みが女性の性周期にも関係するのは、意外でしたが、女性ホルモンのエストローゲンが記憶の海馬などでも
そのNOがコラーゲン分解酵素のMMP-8の産生などがあり、これがアトピーなどと関係するのでは。
NOが細胞外SODも増加させるため、NOの少し活性の弱いところでおこることのようにおもえます。そしてSODの増加は過酸化水素の酸化ストレスをまた上げる、過酸化水素の酸化ストレスの強いダウン症の方の症状と近いことが起こらないかと。
記憶に良いタイプの我がやン息子や高機能自閉症で有名なテンプルグランディンさんが、調子の良い時に肌にトラブルがでやすいことなども、このNOの活性の程度によるんではと。
血管内皮細胞やマクロファージでは、NOとスーパーオキシド(O2-)が同時に発生する。
この、NOとスーパーオキシドとの反応速度は、SODとスーパーオキシドとの反応速度より、3倍も速い。
しかし、NOは、ミトコンドリアの電子伝達系を障害して、スーパーオキシドの産生を増加させる。
他方で、NOは、スーパーオキシドを消去する細胞外SODを増加させて、スーパーオキシドによるNO自身の消去を抑制している(フィードフォワード機構)。
ヘパリンやHS は細胞外マトリックスタンパク質、増殖因子、ケモカイン、細胞外スーパーオキサイドジスムターゼのような酵素等多くのタンパク質と相互作用する。すなわち、NOは細胞外マトリックスHSPGを分解することによりこれら機能分子の遊離を制御していると言える。マクロファージや好中球は多量のNOや超酸化物を放出し、過酸化窒素を生成する。これは、HSPGでなくヒアルロナンの分解を増加させる結果となる。関節骨液中のヒアルロナンの分解や合成の変化は、慢性関節リウマチと相関していることが知られている。NOと超酸化物とのバランスが細胞外マトリックス中のどのグリコサミノグリカンを分解するかを決定し、いろいろな病態進行を制御する重要な要因であるもしれない。このように、NOや超酸化物が細胞外マトリックス代謝の制御と病理に関係していると言うことができる。
自閉症と女性の性周期はGSK3βが調節する同じ一酸化窒素産生の仕組みに関係する?
一酸化窒素が分解する細胞外マトリクスのヘパラン硫酸が調節するのが、卵胞刺激ホルモンの合成と分泌を促進するアクチビン、このルートに繋がっているのでは?
構造アクチビン (activin) は卵胞刺激ホルモン (FSH) の合成と分泌を促進し、月経周期を調節する役割を持ったペプチドである。インヒビンとは逆の作用を持つ。性腺、下垂体、胎盤や他の臓器で産生される。
卵胞内でアクチビンはFSH結合とFSHが誘導する酵素によってステロイドが芳香環化する性ホルモンの生産を促進する。これが卵巣と精巣でのアンドロゲン合成増幅黄体形成ホルモン (LH) 作用に関与する。男性においてはアクチビンは精子形成を促進する。
『自閉症スペクトラムは本来活動依存的に一酸化窒素に分解される細胞外マトリクスのヘパリン硫酸の分解の変調で、活動依存的に粗密ができるところが粗密が出来ないのが自閉症スペクトラムの共通点』だとおもいます。
その一酸化窒素を産生するnNOSの『非常に濃密な含有神経の分布がある』のが、闘争逃走反応や痛覚の抑制、恐怖反応の仲介などと関係する中脳中心灰白質、まさに自閉症で問題になる箇所だと。他の分布の濃いところもそれぞれに関係していそうですが。
一酸化窒素と活性酸素、細胞外マトリクスの関係が捕まえ難いために盲点になっているのでは、ここに関係する痛み、キレるということや、統合失調症ではリウマチの罹患率が低いこと、下記の椎間板ヘルニアなども、その辺りから見直してみると何か見えてきそうにおもえます。
NOは気体であるので、細胞膜を自由に透過でき、通常100μmの距離まで到達できる
視床下部: 室傍核・小細胞性領域のCRF神経もnNOSを含有し、ストレス反応に関与する.
背外側被蓋核/脚橋被蓋核のコリン作動性神経、および、背側縫線核や正中縫線核のセロトニン神経にもNOSの発現がある.
延髄: 孤束核、迷走神経背側運動核・疑核・舌下神経核・延髄腹外側野の各細胞にNOSの発現があり、循環・呼吸などの自律調節に関わる.
脳内のアラーム・システムであるノルアドレナリン(NA)神経系は、外部環境からの突発的で不快な刺激や内部環境の危機的変動によって賦活され、覚醒水準を上げたり(前回の解説)、ストレス反応を誘発したり、情動行動を発現させたりする。
非常に強いストレス刺激(敵対動物の対峙、侵害刺激の負荷など)が与えられると、「闘争もしくは逃走」の緊急防御反応が出現する。
その結果、視床下部の化学刺激は情動反応を誘発せず、中脳中心灰白質が情動発現に不可欠な構造であることが確立されてきた。
中脳中心灰白質(PAG)の内部には、情動行動に関連する二つの柱状構造が長軸方向に沿って存在する。外側PAG神経柱と腹外側PAG神経柱である(図参照)。
外側PAG神経柱は、更に二つの領域に分割される。長軸方向に沿って真ん中の三分の一の神経柱の刺激によって、威嚇/防御行動が誘発される。ネコの実験では、毛を逆立て、背中を丸め、耳を伏せ、うなり声を上げる行動が現れる。この時、血圧や心拍の上昇に伴い、顔面表情筋への血流が増加するが、四肢骨格筋や内臓への血流は減少する。一方、尾側三分の一の神経柱の刺激では逃避行動が誘発される。この時には血圧や心拍の増加に伴い、顔面および四肢の筋への血流が増加する(内臓への血流は減少)。
外側PAG神経柱はストレス刺激に積極的に対処する情動行動に関わるが、腹外側PAG神経柱は全く逆の情動反応に関与する。腹外側PAGが刺激されると、じっと動かなくなり(フリージング)、外部に対して反応しなくなる。血圧も心拍も低下する。これは重症を負った時や慢性疼痛のある時などの反応である。また、腹外側PAGの尾側部を刺激すると、長く続く鎮痛効果(オピオイド性鎮痛)も発現する。
痛み刺激は情動反応に重要な入力であるが、外側PAGと腹外側PAGでは痛み入力に対する反応においても違いがある。深部痛(筋や関節からの侵害性入力)や内臓痛は主に腹外側PAGニューロンを興奮させ、体表痛は外側PAGニューロンを賦活させる。この違いに対応して、行動や循環反応にも相違が現れる。深部痛は、腹外側PAGの刺激効果と同じく、フリージングや血圧・心拍の低下を起こすが、体表痛は、外側PAG刺激効果と同様に、威嚇/逃避行動や昇圧/頻脈を発現させる。
扁桃体は情動中枢として、あらゆる感覚性入力の生物学的意義を評価して情動反応を発現させる機能を営む。その評価は快・不快の対立する内容であるが、その相反する出力がそれぞれ腹外側PAGや外側PAGで中継されて、下部脳幹に送られ、それぞれ個別の情動行動や循環反応を発現させる。しかし、その経路の詳細に関しては現時点では未解明である。
内外環境からのストレス刺激に反応する脳構造として、青斑核のノルアドレナリン神経、室傍核のCRF細胞(視床下部・下垂体・副腎皮質軸の起点となる細胞)、扁桃体中心核や中脳中心灰白質(恐怖反応を仲介)などがある(これらはシステム神経生理学で既に解説してきた)。
候補となる遺伝子の1つとして、11型コラーゲン (collagen)を構成する遺伝子に着目しました。11型コラーゲンは、軟骨を構成する細胞外基質タンパク質で、3つの異なるアルファ鎖でできています。3つのアルファ鎖は、異なる遺伝子でコードされており、そのうちの1つがCOL11A1遺伝子です。11型コラーゲンは、椎間板の維持に大切なプロテオグリカンをコラーゲン繊維に結びつける重要な役割を持っています。
グルタミン酸のNMDA受容体からのカルシウム流入による一酸化窒素の産生は、ヘパラン硫酸などに影響される物質の下流でもありフィードバックを受けるGSK3βに調節される。
結局、自閉症スペクトラムは本来活動依存的に一酸化窒素に分解される細胞外マトリクスのヘパリン硫酸の分解の変調なのだとおもえてきました。活動依存的に粗密ができるところが粗密が出来ない、そこが自閉症スペクトラムの共通点で、その分解が粗か密かで記憶の維持・再固定に関係するアクチビンなどを通じて脳下垂体の分泌や甲状腺機能までに差がでタイプの違いとなる。
ヘパラン硫酸などの粗密や興奮性のグルタミン酸の過剰過少などがGABAの過剰過少を招き、フィルターの状態を写し取る臨界期などを通じ言語機能にも影響する。
あと、アストロサイトのグルタミン酸トランスポーターのGLT-1は、グルタミン酸の調節と抗酸化物質のグルタチオンの産生に関係し、NMDA受容体の機能障害を招くことなどもあるようで、重要なポイントだと。
生育歴を調べないと高機能自閉症か統合失調症か診断が難しい場合があり、その統合失調症にリウマチの罹患が少ないそうですが、関係するのが一酸化窒素や活性酸素、細胞外マトリクスなどの細胞共通の部分で、その偏りが逆なのかと。
ヘパリンやHS は細胞外マトリックスタンパク質、増殖因子、ケモカイン、細胞外スーパーオキサイドジスムターゼのような酵素等多くのタンパク質と相互作用する。すなわち、NOは細胞外マトリックスHSPGを分解することによりこれら機能分子の遊離を制御していると言える。マクロファージや好中球は多量のNOや超酸化物を放出し、過酸化窒素を生成する。これは、HSPGでなくヒアルロナンの分解を増加させる結果となる。関節骨液中のヒアルロナンの分解や合成の変化は、慢性関節リウマチと相関していることが知られている。NOと超酸化物とのバランスが細胞外マトリックス中のどのグリコサミノグリカンを分解するかを決定し、いろいろな病態進行を制御する重要な要因であるもしれない。このように、NOや超酸化物が細胞外マトリックス代謝の制御と病理に関係していると言うことができる。
事実、アクチビンは下垂体前葉の FSH 産生細胞の数を増加させることや FSHmRNA の安定性を高める。興味深いことに、アクチビンの数多くのアイソフォームの中でアクチビン B が下垂体で産生されオートクライン因子として働き FSH 分泌を高めているという。
逆に、成長ホルモン、プロラクチン、コルチコトロピンなどの他の下垂体ホルモンの分泌はアクチビンにより抑制されると報告されている。
ストレス刺激を繰り返し負荷して注意行動を伴う学習・記憶過程を発現させると、前脳基底部のACh神経は海馬や大脳皮質にmACh受容体を介して二つの状態を出現させる(最近提案された仮説2))。外部からの情報を収集する状態(学習状態)と、得られた情報を過去の記憶と照合する状態(記憶状態)である。この二つの状態は、標的細胞におけるmACh受容体の可塑的な変動からとらえられる。図2に示すように、mACh受容体はグルタミン酸受容体と共同して働き(注:グルタミン酸受容体が記憶情報の実体を担う)、その刺激はイノシトールリン脂質代謝回転を亢進させ、PKCを活性化させる。PKCはmACh受容体を加燐酸分解し、細胞内に移動させる。一方、PKCは分解されPKCrを形成し、それは核内に移動してmACh受容体の新たな合成を促す。このように、mACh受容体は細胞内への移動や新たな合成などの可塑的な変動を通じて、学習・記憶過程における二つの状態を発現させる(下に詳述)。
自閉症のルートのGSK3βを通じて躁うつ病の薬リチウムが甲状腺機能に影響するのでは?
攻撃性などとも関係しそうなセロトニン・ドーパミン・ノルアドレナリンのモノアミンの分解酵素MAO、これと甲状腺ホルモンが関係しているのではと見ていると、甲状腺との関係で躁うつ病の薬のリチウムが度々でてき、による甲状腺機能低下症を招くことがあるようです。
リチウムは、カルシウムシグナリングに関係するイノシトール産生を抑制し、それが少し時間がかかって甲状腺まで効いてくる、これは自閉症に関係するとおもうGSK3β、一酸化窒素産生を含むルートが甲状腺までつながっているのを現しているのではと。
リチウム→イノシトール産生を抑制→小胞体でのAKT/PKBによる抑制を弱めることでGSK3βの活性化→PSD95、nNOSなどの結合を弱める→一酸化窒素の産生の抑制→ヘパラン硫酸の分解の抑制→記憶の維持・再固定・脳下垂体の制御因子のアクチビンの抑制→甲状腺刺激ホルモンの抑制→甲状腺機能の抑制
ヘパラン硫酸の分解のところで、一酸化窒素と活性酸素種のスーパーオキサイドとのバランスにより分解される細胞外マトリックスが変わることで結果が逆転し、ここの変動が躁うつや陰陽、積極奇異・受身・孤立型などに影響するのではと。
注目している漢方の熱証、寒証、たぶんエネルギー代謝に影響する甲状腺の状態を現してい、ここのルートの状態により処方を分ける、参考になるのでは。
初期症状: 食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢等の消化器症状、振戦、傾眠、錯乱等の中枢神経症状、運動障害、運動失調等の運動機能症状、発熱、発汗等の全身症状を示す
生物の初期発生において、腹と背を分ける体軸の形成は、背側に神経管が発達するなど一つの受精卵が細胞集団を作り上げていく上で重要な役割を果たしています。研究グループでは今回、免疫系に関与するカルシウム依存性転写調節因子「NF-AT」にカルシウムシグナルが作用することによって、腹側化シグナルとして働くことを明らかにするとともに、NF-ATが、背側化と関連するGSK-3と呼ばれる酵素に作用し、腹側化を促すことを見いだしました。このGSK-3は、脳の老化との関連が指摘されています。
Ca2+シグナルは、細胞内Ca2+濃度の一過的上昇、持続的上昇、Ca2+濃度の上昇と降下を繰り返すCa2+振動など多様な濃度変化の様式を持ち、その違いを利用し細胞内情報伝達に重要な役割を果たしています。一方、躁鬱(そううつ)病の治療薬であるリチウムを、生物の初期発生時に作用させると背側活性を持つことが古くから知られています。しかし、リチウムの背側化活性の作用メカニズムは、発生生物学者の長い間の謎でした。発生・神経研究チームでは、モデル動物を用いた解析手法を用いて、リチウムの作用点の一つであるイノシトール代謝回転経路の、中でも特に脳の生理活性と強く関係すると考えられている「イノシトール1,4,5三リン酸(IP3)」およびその受容体(IP3R)とカルシウムシグナルについて研究を行ってきました。研究の結果、IP3Rに対する特異的な機能阻害抗体を用いて、将来の腹側でIP3Rの機能を阻害すると腹側の細胞運命が背側に運命変換して、二次軸(もともとある背側に加えて、腹側が背側に変換されるために作られる二つ目の背中を二次軸という)が形成されることを見いだしました(図1-1)。
以上の結果から、IP3受容体やNF-ATの腹側化シグナルがGSK3-βを含む背側化シグナルとクロストークしていることが明らかになりました(図5)。
GSK3-βは、脳の老化などの原因による神経細胞死を引き起こす際に、神経細胞内で活性化されている酵素の一つとして見いだされており、アルツハイマー病との関連も指摘されています。この酵素の活性により体軸形成の異常が消失するという今回の私たちの成果は、GSK3-βの活性が脳の老化だけでなく初期発生と密接に関連するという極めて興味深い結果を示しています。
アクチビンが影響する甲状腺ホルモンが攻撃性のモノアミン分解酵素抑制に関係する?
この前に書いたのが、一酸化窒素が分解調節するのが細胞外マトリクスのヘパラン硫酸、その『ヘパラン硫酸が調節するアクチビンは内分泌中枢の脳下垂体の制御因子』、で、『甲状腺は、環境汚染や放射能被爆による機能低下でADHDや記事によっては自閉症という言葉もでてくる部位、アクチビンに下垂体の甲状腺刺激ホルモンとの関係もあるのでは。』
そこからさらに、その甲状腺ホルモンが、モノアミン(セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリン)を分解するMAO(モノアミン分解酵素)を抑制する働きがあるのでは?
もしあるなら、モノアミンが関係するADHDなどやうつ病等とも関係しそうですが、そのMAOAの遺伝子は、それの異常のあるオランダの家系の多くの男性が攻撃性や社会的な問題行動を持っていたので有名なので、こちらも自閉症に関係してこないかと。
このMAO、各モノアミンの細胞への再吸収口、細胞質からのモノアミン共通の出口のVMAT2、これらの活性・不活性が重なって、モノアミンの過剰過少を招く。
記憶の良いタイプの自閉症の人の予後が悪いということですが、脳下垂体の制御因子で記憶の維持・再固定のアクチビンが多いと、甲状腺が活性化し、MAOが抑制される影響もあるのでは。
暴力的であるという一番のリスクが男性であることというのも、男女の甲状腺の働きの違いにあるためでは?
甲状腺ホルモンは、ラットの腎臓で、細胞質の蛋白を介して、ミトコンドリアの蛋白合成を促進させる。
甲状腺ホルモンは、ラットの心筋細胞で、細胞質において、抑制性物質の量を増加させ、ミトコンドリア外膜に存在するMAO(モノアミンオキシダーゼ)活性を抑制する。
この攻撃性は、HTTとのダブルノックアウトでは悪化し、HT-1B、1Aとのダブルノックアウトでは改善する。彼らは、P0-P14の間、MAO-AノックアウトマウスにPCPA(セロトニン合成を阻害する)を投与することで、P30以降も攻撃性が改善することを発見した。これらのマウスでは、成長後の脳内セロトニン含量には差がない、従って、セロトニン量の増加が攻撃性を生む作用には臨界期があり、それがP0-P14であることが示されたことになる。これは、本学会の発表の中で最大と言って良い、かなり重大な発見だと思う。
CushingおよびAddisonは、内分泌疾患の経過中に抑うつ症状を発見した。ホルモン、特に副腎ステロイドおよび甲状腺ホルモンが、過剰に存在すると(または欠如している場合)神経ペプチドへの直接または間接作用によりうつ病性障害を引き起こす(Favaら、1987)。
大部分の抑うつ症状は、抗甲状腺治療および甲状腺機能の正常化によって寛解するが、重症の症例では、抗うつ薬またはECTを用いる。精神療法は、通常無効である(Kleinschmidtら、1956)。
甲状腺機能低下症では、通常その発症に先立って抑うつ症状、妄想性障害、痴呆がよくみられる。甲状腺摘出、甲状腺炎そしておそらくはリチウム治療(リチウム中止により回復する)に伴う甲状腺機能低下症においてもうつ病性障害を発症する。一方、うつ病患者の約10%にある程度の甲状腺機能低下症がみられるが、多くの場合無症状でTRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)検査によってのみ検出される。
甲状腺機能低下症に伴う抑うつ症状は、甲状腺ホルモン療法では改善せず、抗うつ薬治療を必要とすることが多い。
一酸化窒素とスーパーオキサイドなどの活性酸素とのバランスが細胞外マトリックスの分解を決め、その変化は炎症などを含め細胞内の環境をがらっと変える。
その細胞外マトリクスのヘパラン硫酸は一酸化窒素によって分解されますが、ヘパラン硫酸が調節するのが、記憶の維持・再固定のアクチビン、またアクチビンは脳下垂体の制御因子でもあり、ヘパラン硫酸の状態が脳下垂体のホルモンにも影響するのではないかと。
内分泌中枢とよばれる下垂体、『成長ホルモン、プロラクチン、コルチコトロピンなどの他の下垂体ホルモンの分泌はアクチビンにより抑制される』ことはかなり重要なのではと。
下垂体ホルモンのうちプロラクチンは授乳ホルモンといわれますが、自閉症でもよく処方されるリスパダールの副作用に乳汁分泌というのがあり、これはプロラクチンが亢進するからだと。プロラクチンはドーパミンを活性化し、またドーパミンからそのD2受容体を経て抑制される関係、リスパダールがD2受容体を抑制しますので、ここのドーパミンが活性化するのも、その働きのうちの大きなモノなのではと。でこのプロラクチンはサウナや入浴などのヒートストレスで増え、中高年になっての温泉の効用はこのプロラクチンを増やす効果が大きく、そのプロラクチンをアクチビンが抑制することは気分にも体の調子にも影響すると。
甲状腺は、環境汚染や放射能被爆による機能低下でADHDや記事によっては自閉症という言葉もでてくる部位、アクチビンに下垂体の甲状腺刺激ホルモンとの関係もあるのでは。
下垂体後葉の2つのホルモン、抗利尿ホルモンのバゾプレッシンと、母性で社会性とも関係あり自閉症との関係も話題に上がったオキシトシン、これらの後葉のホルモンにアクチビンが影響するのかどうか?
また、ヘパラン硫酸はグルタミン酸を抑制し、それによるNMDA受容体に影響するとおもいますので、NMDA受容体に影響されるオレキシンが覚醒、摂食など生きる意欲と姿勢筋の緊張が過活性や逆に抑制を受けたりすることにも影響するのではと。
自閉症などの発達障害も、一酸化窒素とスーパーオキサイドのバランスにより分解が決定する細胞外マトリックスの偏りによる影響を大きく受けているのでは?
マクロファージや好中球は多量のNOや超酸化物を放出し、過酸化窒素を生成する。これは、HSPGでなくヒアルロナンの分解を増加させる結果となる。関節骨液中のヒアルロナンの分解や合成の変化は、慢性関節リウマチと相関していることが知られている。NOと超酸化物とのバランスが細胞外マトリックス中のどのグリコサミノグリカンを分解するかを決定し、いろいろな病態進行を制御する重要な要因であるもしれない。このように、NOや超酸化物が細胞外マトリックス代謝の制御と病理に関係していると言うことができる。
事実、アクチビンは下垂体前葉の FSH 産生細胞の数を増加させることや FSHmRNA の安定性を高める。興味深いことに、アクチビンの数多くのアイソフォームの中でアクチビン B が下垂体で産生されオートクライン因子として働き FSH 分泌を高めているという。
逆に、成長ホルモン、プロラクチン、コルチコトロピンなどの他の下垂体ホルモンの分泌はアクチビンにより抑制されると報告されている。
下垂体は脳と内分泌系のインターフェースとして働く器官であり、内分泌学上極めて重要な存在である。
血管新生で重要な因子として考えられ注目されているFGFやVEGFはなんと下垂体から発見された因子である。また、アクチビンやインヒビンはやはり下垂体ホルモンの制御因子として発見された。これからも下垂体に関わる重要な細胞成長因子の発見が期待される。
確かに下垂体は生物の生存にとって必須ではないかも知れない。しかし、下垂体ホルモンがないと成長、生殖、免疫、代謝機能が異常になり生物は正常な生活をおくれない。すなわち下垂体はquality of life にとって必須の器官と言える。
下垂体は、脳基底部にあるエンドウマメ大の腺で、多くのホルモンをつくり、それぞれが体の特定部位(標的器官)に影響を及ぼします。下垂体は体内のさまざまな内分泌腺機能を制御するので、しばしば内分泌中枢と呼ばれます。
神経回路は,細胞分化,軸索ガイダンス,シナプス形成を制御する多くのシグナル分子の作用により形成される。細胞間のシグナル伝達は,情報伝達分子と受容体によって行われるが,この過程にプロテオグリカンと呼ばれる細胞外分子が積極的に関わっていることがわかってきた。発生期には,特にヘパラン硫酸プロテオグリカンの関与が大きく,Wnt,FGF,ヘッジホッグなどの拡散や受容体活性化が,ヘパラン硫酸によって制御されていることが明らかになった。ヘパラン硫酸は,二糖の繰り返しから成る巨大分子であり,硫酸化領域で他の分子と相互作用する。特に,硫酸化のパターンが重要であり,特定の硫酸化パターンが特定のシグナル分子との相互作用に必要である。この硫酸化パターンの形成は,糖鎖合成時の硫酸転移酵素の働きによると考えられてきたが,最近になって,完成したヘパラン硫酸の硫酸化パターンを修飾するエンド型スルファターゼが同定され,注目を集めている。
ヒートストレスという言葉があるが、サウナ浴は通常のストレス反応とは違う.通常のストレス反応では,交感神経−副腎髄質系および視床下部−下垂体−副腎皮質軸が活性化される.ところが,サウナ浴では副腎髄質ホルモンであるアドレナリンは無変化あるいは軽度増加するだけである.
いずれにしても,「闘争か逃走か」で表現されるCannonのストレス反応はおこらないといえる.
下垂体から分泌されるホルモンの中でサウナ浴で増加するのは,プロラクチンである.多い場合には10倍近くも血中濃度が上昇する。
まぐれあたりかもしれませんが、炎症ということばで試したウコンになにか手応えを感じて1年になります。
一酸化窒素と活性酸素の種類とで、細胞外マトリクスの分解が変わり、それでタイプ・状態が変わるのではとおもっていますが、自閉症としては、下記のインスリン抵抗性と同じように距離の問題、ここらの下流のGSK3βも関係する神経細胞内からの一酸化窒素の発生に関係する器官の距離が一方へ偏るために、記憶の再固定による濃淡が付かなくなるのでは。
JST(理事長 沖村憲樹)と東北薬科大学(学長 高柳元明)は、糖尿病におけるインスリン抵抗性の発症メカニズムに関して、「ガングリオシド」という糖脂質が関与することを発見しました。
本研究グループは、サイトカインTNFα注2をマウス脂肪細胞に作用させインスリン抵抗性状態にした時、細胞膜の糖脂質(糖と脂質の結合物)の一種であるガングリオシドが増加することに着目。増加したガングリオシドによって、細胞でのブドウ糖取り込みのスイッチとして働くインスリン受容体注3が誘引されることを発見しました。このため、細胞膜内でのインスリン受容体が、本来存在するべき「カベオラマイクロドメイン」注4という微小領域から遊離されることで、スイッチとして機能しなくなり、その結果、細胞がブドウ糖を取り込む能力を失う――というメカニズムを解明しました。
本研究グループは、既にガングリオシドの生成を阻害する物質PDMPの合成も行い、これを用いてインスリン抵抗性を解除できることも立証しています。
自閉症スペクトラムの共通点は記憶の再編成の変調、それには一酸化窒素が調節するヘパラン硫酸やヒアルロン酸の細胞外マトリクスの変調も関係し、あとこれに脳の興奮度に影響されるGABAの亢進や抑制なども関係してくるとはおもいます。
神経細胞内からの一酸化窒素による細胞外マトリクスの調節を変調させるのが、炎症と関係するグリア細胞などからの一酸化窒素や活性酸素、特に脳内マクロファージのミクログリアなどからのスーパーオキシド(スーパーオキサイド)が、一酸化窒素とのバランスにより細胞外マトリクスの分解するものを決めるということで重要なのでは。
また、活性酸素の解毒がまた違う活性酸素を生む多層の構造、それにより分解する細胞外マトリクスを決める一酸化窒素とスーパーオキシドのバランスが変わることで、躁・うつや陽性症状・陰性症状、積極奇異型・受動型・孤立型などの状態の元になっていのではとおもいます。
自閉症の脳内で炎症があり、抗炎症・抗酸化作用・iNOS抑制作用のウコンをまず自分で試し頭が沈静化する感じだったのですぐに息子に、こだわりなどが緩和する効果を感じて早1年、その間、私に気分の平板化があるなどで、広い活性酸素種の解毒作用がある白金ナノコロイドの使用に変えるなどの曲折もありましたが、より厳しい夏場での経験により、現在は併用に。
息子の余暇をサポートして頂いているグループの方に昨日の余暇の後聞いた話で、以前に書かれた引き継ぎ書のこだわりに関する注意点がだいぶ緩和してきているとのこと、他の方にも感じられる変化をしてきているのだと。
マクロファージや好中球は多量のNOや超酸化物を放出し、過酸化窒素を生成する。これは、HSPGでなくヒアルロナンの分解を増加させる結果となる。関節骨液中のヒアルロナンの分解や合成の変化は、慢性関節リウマチと相関していることが知られている。NOと超酸化物とのバランスが細胞外マトリックス中のどのグリコサミノグリカンを分解するかを決定し、いろいろな病態進行を制御する重要な要因であるもしれない。このように、NOや超酸化物が細胞外マトリックス代謝の制御と病理に関係していると言うことができる。
血管内皮細胞やマクロファージでは、NOとスーパーオキシド(O2-)が同時に発生する。
この、NOとスーパーオキシドとの反応速度は、SODとスーパーオキシドとの反応速度より、3倍も速い。
しかし、NOは、ミトコンドリアの電子伝達系を障害して、スーパーオキシドの産生を増加させる。
他方で、NOは、スーパーオキシドを消去する細胞外SODを増加させて、スーパーオキシドによるNO自身の消去を抑制している(フィードフォワード機構)。
マクロファージを用いた最近の研究で、高分子ではなくヒアルロン酸の小断片が、マクロファージによるIL-1、TNF−alpha、IGF-1、iNOSの産生を誘導する(7のNobleの章参照)。一酸化窒素と超酸化物の反応によって合成される過亜硝酸イオンがヒアルロン酸を分解し、生じた断片によって炎症の病的サイクルが持続するのであろう。
MCP-1は、chemokineβ-subfamilyに属し、単球の走化性を亢進させる。 しかし、抗腫瘍作用・スーパーオキサイド産生誘導など、単球系細胞の活性化にもMCP-1が働くことが明らかにされるなど、生体防御の面からも注目されている。 また、T細胞が分泌するサイトカインとして最初に認知されたMIFは、現在では種々の細胞から産生され、非常に多様な機能を持つことが知られている。MCP-1, MIFと疾患の関わりについて解明することを目的とする。
運動ニューロン病における顆粒球コロニー刺激因子の運動ニューロン保護作用 (2006年6月6日)
細胞内で発生する活性酸素のうち、構成的に発生する活性酸素はミトコンドリアで発生する活性酸素種、スーパーオキサイド(O2-)である。O2-はミトコンドリア内膜で発生するが、酸化的リン酸化に伴い消費された酸素の約数%発生すると報告されている。発生したO2-は、速やかに解毒酵素であるスーパーオキシドディスミュターゼ(MnSOD)によって、過酸化水素(H2O2)に変換される。H2O2はさらに、ミトコンドリアではグルタチオンペルオキシダーゼ、細胞質ではカタラーゼにより水と酸素に分解され無毒化される。
自閉症のルートにGSK3β(53):二段階の酸化ストレスによる細胞外マトリクスの変化とダウン症、ALS、自閉症スペクトラム関係は?
一酸化窒素の変調が自閉症に関係するのではとおもっていますが、たぶん要は一酸化窒素と超酸化物のバランスにより分解するものが決定するヘパラン硫酸やヒアルロン酸などの細胞外マトリクスの変化。
10%くらいが自閉症スペクトラムに入ってくるのではと書かれている方もいるダウン症は、アトピー体質で、老化が早く糖尿病やアルツハイマーに似た症状がでやすいそうですが、活性酸素を除去するSODが多いためにかえって過酸化水素の酸化ストレスが強く、過酸化水素は一酸化窒素も増強しますので、ヒアルロン酸の分解が多いことやヘパラン硫酸の分解も変わるなど、アルツハイマーにもつながるところだとおもいますが、細胞外マトリクスの変化によるものが大きいのでは。
一方、一部の方にSODの変調があるALS(筋萎縮性側索硬化症)は、ヘパラン硫酸が貯蔵庫にもなっているVEGFに治療効果がありそうだということで、こちらもヘパラン硫酸やヒアルロン酸などの細胞外マトリクスの変化によるものが大きいのでは。
自閉症スペクトラムの拡がりの中にはダウン症やALSと対応する部分があるとおもいますが、ダウン症の弛緩、ALSの方の固縮、このあたりも細胞外マトリクスの変化によるモノであり、何かその人の状態を知る手がかりにならないかと。
記憶のいいタイプの息子やテンプル・グランディンさんの調子のいい時に肌のトラブルがでるのも、一酸化窒素と超酸化物のバランスが変化による細胞外マトリクスの変化によるモノだとおもいますが、その変化はかなり早いもののように感じます。
マクロファージや好中球は多量のNOや超酸化物を放出し、過酸化窒素を生成する。これは、HSPGでなくヒアルロナンの分解を増加させる結果となる。関節骨液中のヒアルロナンの分解や合成の変化は、慢性関節リウマチと相関していることが知られている。NOと超酸化物とのバランスが細胞外マトリックス中のどのグリコサミノグリカンを分解するかを決定し、いろいろな病態進行を制御する重要な要因であるもしれない。このように、NOや超酸化物が細胞外マトリックス代謝の制御と病理に関係していると言うことができる。
一般には活性酸素を除去する酵素が多いことは、悪い状態ではないように思われてしまいがちだがSOD のみが多量にあると、分解産物の過酸化水素が大量に発生するため、これを分解するカタラーゼなどの抗酸化ストレス蛋白質が相対的に少ないと酸化ストレスがかえって強くなってしまう。
例えば、SOD 遺伝子は21番染色体上にあり、ダウン症患者ではSOD の発現量が通常人の1・5倍ある。しかしカタラーゼ等は通常人と同じ量なので、結果的に神経細胞が大量の過酸化水素による酸化ストレスの悪影響を受けているといわれている。つまり、抗酸化ストレス能力は一連のシステムとして機能しているのである。
NOはMn-SODや炎症性サイトカイン類を誘導するNF-κBの活性化を抑制する能力がある。しかも、NOはシェアストレスによるマップキナーゼ系の活性化も抑制することが最近報告された。
ダウン症の人は数多くいますが、その症状、程度は様々です。手足に関しては全身関節弛緩性(ちかんせい)が頻繁に見られます。関節が軟らか過ぎて足関節と膝が不安定で、歩きにくい事です。また関節が軟らかいためと思われる先天性股関節脱臼がやや多く見られます。頚の骨(頸椎)が弱い事も有りますから、念のために整形外科でレントゲン写真やMRIを撮影してもらうようにお勧めします。
筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis, 以下ALS)は運動ニューロン疾患に分類され、脊髄、脳、脳幹の運動ニューロンが変性していくのが特徴である。原因は今なお不明である。以前より、ALS患者は末期に至るまで褥瘡の起こらないことが知られている。さらにALS患者の皮膚はなめし皮のようにしなやかであり、皮膚をつまんで離すと元の位置に戻るのに時間のかかる現象(“皮膚のつまみ現象”)がみられる。皮膚のつまみ現象と褥瘡の起こらないことはALSに特異的と考えられるが、これまであまり注目されてこなかった。しかしながらALSの皮膚に関する研究は徐々にではあるが蓄積されつつあり、これまでに以下のようなことが明らかになっている。
皮膚の主なGAGsはヒアルロン酸、デルマタン硫酸、コンドロイチン硫酸、ヘパラン硫酸である。これまでALS患者のGAGsについて以下のことが明らかになった。(1) ALS患者の皮膚では膠原線維束の間のスペースは拡大しており、この部分はアルシアン青染色で濃染する。さらにこの濃染した部分はStreptomycesヒアルロニダーゼ消化試験で消失することより、この拡大した膠原線維束間ではヒアルロン酸が増加していると考えられる。(2) ヒアルロン酸の尿中排泄量はALS患者では著明に増加している。(3) 皮膚のヒアルロン酸の生化学的定量では、ALSでは対照群と比較して明らかに増加しており、ALSの経過とともに増加していく。これらの結果はいずれもALS患者の皮膚ではヒアルロン酸を含むGAGsの代謝異常が起きていることを示している。
ヘパラン硫酸プロテオグリカンは基底膜の主要なコンポーネントであり、陽イオン性や巨大な分子に対する障壁としての機能を担っている。ヘパラン硫酸は、基底膜の基本構成成分であるタイプIVコラーゲンを、プロテアーゼの攻撃から守っている。さらにヘパラン硫酸プロテオグリカンはbFGF, VEGF, HGF, KGF, TGF-beta等のサイトカインや成長因子を結合し、それらの貯蔵庫の役目を果たしている。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、ルー・ゲーリック病とも呼ばれるが、通常40歳を超えた人々が発症する難病だ。ALSにかかると運動ニューロンが変性し、重度の筋肉の消耗が起こり、命を失う。Nature Geneticsの8月号に掲載の論文では、ルーフェン大学(ベルギー)のPeter Carmelietたちが、突然変異するとALSの発症リスクが高くなるVEGF遺伝子を初めて同定したことを報告する。また運動ニューロンを損傷したマウスにVEGFタンパク質を注入したところ、損傷したニューロンが保護された。このことは、VEGFの治療効果の可能性を示唆している。
神経回路形成過程において、神経細胞は、周囲の細胞や微小環境から、刻々と変化する多種類のシグナルを受容し、分化、軸索伸長、シナプス形成を行い、機能的な神経回路網を作りあげる。これまでに同定された細胞分化・軸索ガイダンス分子に加えて、糖鎖や脂質も神経発生期の情報伝達やその制御において重要な役割を担っていることが明らかになってきたが、未だ不明の点が多い。そこで、本研究では、我々が単離した分子を中心に機能解析を進め、グリコサミノグリカン糖鎖と脂質メディエーターを介した新しい細胞間情報伝達による神経回路形成の動的な制御機構を明らかにすることを目指している。具体的には、ヘパラン硫酸糖鎖のリモデリングに関わることが示唆されているスルファターゼSulfFP 分子に注目し、主にノックアウトマウスを用いて、ヘパラン硫酸の硫酸化パターンが神経回路形成においてもつ役割を明らかにする。
アクチビンは血管内皮細胞に作用し,管腔形成を促進して血管新生促進作用をもつ。一方,フォリスタチンはこのアクチビン作用に拮抗し,血管新生抑制作用を示す。アクチビンはVEGFのもつ血管新生作用を仲介しているため、VEGFのもつ血管新生作用はフォリスタチンによって完全に抑制される。したがってアクチビン及びフォリスタチンはそれぞれ血管新生の促進及び抑制に有効である。
血管新生の基礎的理解が進み虚血性心疾患に対する新規治療法として血管新生療法の適応が検討されてきた。そこで血管新生を制御する内皮細胞シグナルを解析するため、血管新生を促進するVEGFシグナルの下流にあり多面的機能を有するセリンースレオニン燐酸化酵素glycogen synthase kinase-3b (GSK)に着目し検討を行った。
以上からGSKが血管新生を調節する重要な因子である可能性が示唆され、今後マウス下肢虚血モデル等を用いてGSKの血管新生促進効果を検討する予定である。
自閉症のルートにGSK3β(52):自閉症は再記憶の変調、それを調節する一酸化窒素、超酸化物、漢方の寒熱虚実の証と関係する?
自閉症の脳には炎症があるのではということで、抗炎症作用のあるウコンを自分で試してみると頭の中かが何かシンと落ち着く感じで、自閉症の息子もこだわりが緩和されるいい感触で、何かあるだろうといろいろあたってみていましたが、私が自閉症の共通点だとおもう記憶の再編成の部分、神経細胞内やそれをサポートするグリア細胞からの一酸化窒素が関係しているだろうなと。
一酸化窒素と超酸化物のバランスが細胞外マトリックス中のどのグリコサミノグリカンを分解するかを決定する。記憶についていうと、細胞外マトリクスのヒアルロン酸が記憶のカッターのニューロプシンのバリアー、ヘパラン硫酸は記憶の再固定などに関係するアクチビンの抑制・分解に、先のニューロプシンやtPAなどの記憶のカッターなどの活性も酸化ストレスなどに影響される。
ヘパラン硫酸が分解され、ヒアルロン酸のバリアーが強い状態を考えると、記憶ではニューロプシンなどのカッターが働かず、そのまま再固定される、ヘパラン硫酸が分解されず、ヒアルロン酸のバリアーが弱い状態では、記憶は弱められ、また再固定もされない。
たぶん自閉症、その間での編集を受けた記憶の再固定ができないのだろうとおもいますが、ダウン症で自閉症という方もおられるように両極に拡がりもあるものだろうと。
どう分ければいいのかなと考え浮かんできたのが、漢方の虚証・実証が一酸化窒素、寒証・熱証が酸化ストレスと考えられるのではと、まだ思いつきの段階ですが。
ヒアルロン酸、ヘパラン硫酸などの細胞外マトリクスのあり方が変わると、細胞の環境・情報伝達などがらっと変わるので、このありかたが人の根本的なところに影響sする。
息子は記憶のいいタイプで暑がりで実証で熱証、一酸化窒素を抑え、酸化ストレスも抑えるウコンが効くのも分かりますが、欲張ると虚証で寒証のうつになる。ヒアルロン酸はニューロプシンも属するカッターのカリクレインファミリーのバリアーで、弱まると痛みの成分が切り出され、それにより平常心のホルモンセロトニンが抑制されたりも。
その人をそのまま受け入れようという考えもありますが、やはりバランスが崩れているのは苦しいことで、その苦しさ故に起こってことも多くある、バランスの崩れを少なくした上で対処するのがいいのだろうと、やってきたつもりでも、それで足りなかった私の結論、この寒熱・虚実で考えることでそのバランスの崩れ方を知り、それへの対処をすることで予後がかなり改善されないかと。
マクロファージや好中球は多量のNOや超酸化物を放出し、過酸化窒素を生成する。これは、HSPGでなくヒアルロナンの分解を増加させる結果となる。関節骨液中のヒアルロナンの分解や合成の変化は、慢性関節リウマチと相関していることが知られている。NOと超酸化物とのバランスが細胞外マトリックス中のどのグリコサミノグリカンを分解するかを決定し、いろいろな病態進行を制御する重要な要因であるもしれない。このように、NOや超酸化物が細胞外マトリックス代謝の制御と病理に関係していると言うことができる。
例えば、生体内のマクロファージが病原体からの刺激を受けると、iNOSの発現量が増加し、L−アルギニンからNO産生が促進されることが明らかにされている。産生されたNOは、細胞のミトコンドリア系内の電子伝達系酵素に作用してその活性を阻害し(免疫応答調節作用)、感染を阻害する。生体内でのNOの他の有効な作用としては、血管を弛緩させ血圧を低下させたり、あるいは多核白血球や血小板の接着を阻止して血小板の凝集を妨ぐことが挙げられる。
しかしながら、腎炎、肝障害や潰瘍性大腸炎、または慢性関節リウマチ、更にはアレルギー性疾患等の炎症性疾患によって、マクロファージから高濃度のNOが産生されると、NOによって周辺組織が傷害され、自己免疫現象と類似の症状が発現することがあり、例えば、敗血症を患っている場合には、大量のNOの産生により心筋収縮力によるショック症状(敗血症性ショック)が引き起こされる等、別の疾患の発症を誘発することもある。NOの過剰産生による組織や細胞の傷害、又は誘発される疾患の発症を防ぐため、NOが有効な濃度で生体内に存在するようにNOの産生を抑制する必要がある場合がある。
研究代表者名 井ノ口 馨 三菱化学生命科学研究所・グループディレクター・主任研究員
これにより、アクチビン機能は長期記憶に必要のみならず、記憶の再固定化を促進させるが判明した。
アクチビンの細胞内情報伝達機構は、最近の研究によりその主要な部分が解明され、他の TGF-B ファミリーの因子、例えばTGF-B やBMPなどと基本的には多くが共通していることが判明した6, 7)。
一方、フォリスタチンはインヒビンやアクチビンと異なり一本鎖の糖タンパク質であり、その後の研究によりアクチビン結合タンパク質であることが明らかにされ、アクチビンの作用調節因子としての作用が注目を集めている8)。ここでは、アクチビン作用の多様性とフォリスタチンによるその制御機構をまとめた。
事実、アクチビンは下垂体前葉の FSH 産生細胞の数を増加させることや FSHmRNA の安定性を高める。興味深いことに、アクチビンの数多くのアイソフォームの中でアクチビン B が下垂体で産生されオートクライン因子として働き FSH 分泌を高めているという。
逆に、成長ホルモン、プロラクチン、コルチコトロピンなどの他の下垂体ホルモンの分泌はアクチビンにより抑制されると報告されている。
このような結果は、アクチビンとその細胞内シグナル伝達系が神経回路網形成に深く関わりを持っていることを示唆しているアクチビンはランゲルハンス島細胞からのインスリンの分泌を促進する。
このリン酸化により細胞内情報伝達分子である Smad のリン酸化カスケードが惹起され、アクチビンのシグナルが核まで伝達されることになる。Smad分子群の中にはシグナル伝達に対して抑制的に働くものもある。こうしたアクチビンのシグナル伝達系をフォリスタチンは細胞の外で遮断することにより、アクチビンの多彩な作用を阻害する(図4)。
その結果、アクチビンの II 型受容体への結合によって惹起される細胞内リン酸化カスケード応答反応が、FS-288によりより効果的に抑制されるものと考えられる。
フォリスタチン分子の中でも FS-288 はアクチビンと複合体を形成したままでも強く細胞表層ヘパラン硫酸に結合しうる。つまり、アクチビンは FS-288 を介して細胞表層にとどまる。その後、エンドサイトーシスにより、アクチビン/FS-288 受容体は細胞内に取り込まれて、リソソーム内でタンパク分解を受けて最終的に細胞外へ放出される21)。
また、リジン欠乏状態では、微少量のリジンを直接視床下部外側野ニューロン膜に電気泳動的に投与すると、大きく応答するニューロンが記録される。このようなニューロンは、正常ラットでは認められないことから、リジン欠乏状態によって視床下部ニューロンの可塑的応答変化が生じたことがわかる。この可塑的変化を引き起こす機構として、神経栄養因子であるアクチビンとインヒビン(アクチビン拮抗薬)の関与が示唆されている。
アクチビンは血管内皮細胞に作用し,管腔形成を促進して血管新生促進作用をもつ。一方,フォリスタチンはこのアクチビン作用に拮抗し,血管新生抑制作用を示す。アクチビンはVEGFのもつ血管新生作用を仲介しているため、VEGFのもつ血管新生作用はフォリスタチンによって完全に抑制される。したがってアクチビン及びフォリスタチンはそれぞれ血管新生の促進及び抑制に有効である。
ニューロプシンは脳から新しく見つかったものとして最初のものでした。それまでは血液や他の臓器で見つかったものが脳にもあったという逆のケースがほとんどであったのです。 しかし、その後調べるうち、身体の他の部分、とくに皮膚や子宮にもたくさんあることがわかりました。
ただし、ニューロプシンをもっている細胞には共通する特徴があったのです。つまり、それは外部の刺激に曝されてそれに反応する細胞であったことです。もちろん、脳の細胞も情報という刺激に曝されている点は同じで、海馬ニューロンは情報を処理し、貯蔵するために働いている細胞です。
脳神経系はなにが起こっているのでしょうか。脳でニューロプシンをもっている細胞は海馬の錐体細胞という主細胞のみです(他にも類似の細胞がもっていますが専門的になりますので省きます)。
脳のほかの場所には発現しておりません。海馬のおもな役目は感覚として伝えられた情報を記憶し、保存し、これを最終の記憶場所に送ることです。そこで記憶と似た反応であると考えられている長期増強という実験を行いますと、見事にニューロプシンが誘導され、通常よりさらに増えました。
逆にニューロプシンの酵素活性が働かないようにすると、長期増強を強く抑えられました。
健康食品として市販されているウコンの主成分はクルクミンで、iNOS 阻害活性を示すことで有名である。今回我々が発見したクマリン化合物はそのクルクミンよりも強い阻害活性を示し、構造変換が容易な単純な構造を持つ。
漢方医学では、鼻や皮膚の病気であっても、病気になっている部分だけを診るということはなく、体質や個人差を重要視して、身体全体を総合的に診て診断(証をとるといいます)が行われます。医師は患者さんの様子を観察し、質問したりしながら、その人の抵抗力・体力等も診て「虚」「実」「寒」「熱」等の漢方医学的な診断を行い証を決めて行きます。
証が決まると使用される方剤が決まり治療が行われます。その際用いられるのが漢方製剤です。漢方製剤は天然の生薬を使用しています。一つの方剤は数種類の生薬で構成されているので、多くの成分を含んでいます。そのため様々な効果が期待でき、ひとつの方剤で色々な病状に対応できるケースが多いという利点があります。
漢方医学は2000年以上の長い歴史と豊富な経験に裏付けされた治療方法で、現在では、西洋医学で対応しきれない分野を漢方医学が補いながら、各医師が上手に治療方法を使い分けるようになってきています。
自閉症のルートにGSK3β(51):自閉症のタイプに細胞外マトリクスの構成の違いも?
広い活性酸素種の解毒作用がある白金ナノコロイド、飲み続けると肌のトラブルや関節の痛みがでやすくなるようにおもえます。たぶん肌や関節でのヒアルロン酸(ヒアルロナン)の分解が進むためで、リウマチが女性に多いのも酸化ストレスが低いためなのかと、そして一酸化窒素の産生が多いことが必要条件なのではと。
で、そのリウマチの罹患が少ないのが統合失調症、酸化ストレスが高い時に起こる疾患だからリウマチの罹患が少ないのではとおもいます。
そしてその陽性症状、陰性症状に、一酸化窒素や超酸化物の量の変化が、分解される細胞外マトリックスが変わるという質の変化が影響するのではと。
統合失調症と自閉症スペクトラムの高機能の方と生育歴を調べないと診断が付かないこともあるようで、似た面、構造をもっている方もあるとおもっています。
自閉症スペクトラムの共通点だとおもう記憶の再編成の変調、このシリーズの(26)(32)などで取り上げていますが、社会性に関係する記憶の再編成については、『記憶の再固定のアクチビンを調節するヘパラン硫酸を一酸化窒素が分解調節』が関係しているのではとおもっています。
ここにも上記の『一酸化窒素や超酸化物の量の変化が、分解される細胞外マトリックスが変わるという質の変化となる』ことで、シグナルの伝わり方に質的な違いがで、自閉症のタイプ違いもそこから生まれるのでは。
あとここにGABAの過剰過少による劣位半球の抑制や臨界期、構音などの言語系や大脳皮質のミニ円柱(コラム)化や痛覚などへの影響を合わせると、自閉症がかなり見えてくるようにおもえます。
自閉症スペクトラムの増加しているのだともいますが、それは遺伝ではなく環境要因によるもの、酸化ストレスや一酸化窒素の過剰過少、またそれらに影響する甲状腺などによるエネルギー代謝を変調させる生活をしていることがその増加の要因になっているのでは。
記憶のいいタイプの息子の調子良さも、白金ナノコロイドの抗酸化作用、ウコンの抗炎症・抗酸化作用とともにウコンのグリア細胞での一酸化窒素の産生抑制が効いているのだとおもいます。
血管内皮細胞は隣接した平滑筋細胞に拡散し、血管弛緩や拡張を引き起こす酸化窒素(NO) を生成する。このNOはNO合成酵素によりアルギニンから生成され、半減期は短い。NO はまた、神経細胞によっても生成され、神経伝達にも関与している。超酸化物とともに多量のNOが、リポ多糖のような炎症性の刺激で好中球や単球により生成される。超酸化物はNOと反応して過酸化窒素となり、強力な非特異的分解能を示す酸化水素ラジカルのような特徴をもつようになる。
その著者らは、内皮細胞による外因性ヘパリンの分解は、L-NNA( N-ニトロ-L-アルギニン)やL-NMMA( N-モノメチル-L-アルギニン) のようなNO 合成酵素阻害剤によって抑制されることを示した。さらに、外因性NOガスはヘパリンやHSの分解を酸性水溶液のみならず中性水溶液下でも引き起こすことができる。他方、ヒアルロナンは、NOガスや細胞により分解されることはないが、NOと超酸化物との代謝生成物質である過酸化窒素により分解を受ける。しかし、過酸化窒素はヘパリンやHS を分解しない。このように、内皮細胞由来のNOはヘパリンやHS を過酸化窒素ではなくHNO2 の生成によって分解することができる。
ヘパリンやHS は細胞外マトリックスタンパク質、増殖因子、ケモカイン、細胞外スーパーオキサイドジスムターゼのような酵素等多くのタンパク質と相互作用する。すなわち、NOは細胞外マトリックスHSPGを分解することによりこれら機能分子の遊離を制御していると言える。マクロファージや好中球は多量のNOや超酸化物を放出し、過酸化窒素を生成する。これは、HSPGでなくヒアルロナンの分解を増加させる結果となる。
関節骨液中のヒアルロナンの分解や合成の変化は、慢性関節リウマチと相関していることが知られている。NOと超酸化物とのバランスが細胞外マトリックス中のどのグリコサミノグリカンを分解するかを決定し、いろいろな病態進行を制御する重要な要因であるもしれない。このように、NOや超酸化物が細胞外マトリックス代謝の制御と病理に関係していると言うことができる。
自閉症に関与するタンパク質・ニューロリジンは使い込むことで作られていく神経回路の形成に寄与している
2007-06-22 - 培養神経での実験から、ニューロリジン-1の過剰発現は興奮性シナプス反応を増強してNMDAR/AMPARの割合を上昇させ、ニューロリジン-2の過剰発現は抑制性シナプス反応を増強すると分かりました。
脆弱X精神遅滞タンパク質は、学習に関与する分子・PSD-95をコードしているmRNAの安定性をコントロールする
アルコールの離断症状は、アルコール依存症の患者で生じるものである。こうした患者では、慢性的なアルコール摂取により、脳は常に抑制された状態になっている。これに対抗するため、患者脳内のGABAレセプターは抑制され、グルタミンレセプターは増加する。
こうした状態になった患者がアルコールを突然中止すると、脳は過剰に興奮した状態となり、不隠や怒り、痙攣といった、アルコール離断によるさまざまな症状が出現する。
二日酔いの症状は、たとえアルコール依存状態にない人であっても、こうしたアルコール離断による症状で説明可能であるという。吐き気や頭痛、振戦といった二日酔いの症状を生じている人を調べてみると、脳内は過剰に興奮した状態にあるという報告がある。
概要:アスペルガー障害またはアスペルガー症候群は,社会的相互活動の障害,正常な知性,そして文法および単語数における適切な言語スキルの獲得で特徴づけられる.
本研究はアスペルガー症候群の症例報告である(2例).神経病理学的検討では,変性性変化やグリオーシスの所見をみとめなかった.コンピューターを用いたより詳細な画像検討では,検討した3つの領域においてミニカラム構造の異常が示された(9,21,22)(P=0.032).特異的に,ミニカラムはより小さく,ミニカラムの構成細胞は正常よりより散在していた.同じような神経病理所見は最近自閉症(自閉性障害)で報告されており,この所見がアスペルガー症候群だけにみられるものではないことが示唆されている.
ダウン症児の小さい脳においては,ミニ円柱の巾は正常であるが,円柱の放射状構造は正常よりもより早期に成人のミニ円柱サイズに達する.この変化はダウン症において観察される加齢促進と矛盾しない.対照的に,自閉症児の脳には,より小さくよりたくさんのミニ円柱がみられる.自閉症児の脳はまた,一般的に健常児よりも大きいので,この変化はより小さな円柱の存在を増幅する.また,このことは,処理ユニットの相対的および絶対的増加に結びつく.
今回の読書障害の症例報告では,自閉症とは異なるタイプの病態が示唆される.この病態は明らかに自閉症で報告されたものと反対で,ミニ円柱の有意な巨大化の存在を示した.
この陰-陽現象は,ミニ円柱異常によって特徴づけられるたくさんの状態につながる重要な臨床病態関連を提供するかもしれない.
つまり、受容体の数が多すぎても、少なすぎても、臨界期は始まらないのです。そこで、このGABAの量が少ないマウスを暗闇飼育することにより、受容体の数にどのような変化がもたらされるかを調べたところ、受容体の数は多くも少なくもない“中間値”を示し、臨界期が正常に開始することを確認しました。
今回、明らかになった成果は、神経回路網の再構築という観点に新しい概念を投じ、神経疾患の症状を正常に戻すための重要な知見として貢献することが期待されます。
短時間作用型のバルビツール酸系の催眠鎮静剤。無痛分娩をするときなどにも利用されます。
中枢神経系に対して全般的な抑制作用を示します。催眠・鎮静作用はGABA作用の増強によるものです。
<代表> 新潟大学・脳研究所・分子神経生物学分野・教授・那波 宏之(なわ ひろゆき)
GABA 含有の抑制性神経は直接的な情報伝達だけでなく、神経回路の興奮を調節する事によって、中枢神経回路における精密な情報処理を行っている。今回の結果により、GABAの産生や機能修飾の異常は、PPI の低下にみられる知覚フィルター機能の異常を引き起こすことを示している。従って、統合失調症の発症もしくは病態に、GABA による抑制性回路が深く関わっている事が示唆された。
精神疾患のかなめの蛋白DARPP-32の活性は、忘却の酵素ともいわれるPP-1を抑制するようで、記憶がいいタイプの自閉症の人の予後が難しいのはここの亢進があるためで、記憶のいいタイプの息子が少し前と比べて落ち着きがでてきているのは、サプリメントのウコンや増やしたイチョウ葉が、DARPP-32などの亢進を少し抑えたためではと。
また、他の家族の共通した感触として、場面にあった言葉やイントネーションが増えているようにおもえます。感触の域で希望的観測ですが、これもサプリメントが合った効果なのではと。ニューハーフの方が女性ホルモンを飲み始め、言葉が流ちょうになったと書かれていたりしますので、可能性がなきにしもあらずかとも。
それには、脳の興奮度が弱くなったために劣位半球のGABAによる抑制が弱くなったりとか、自閉症のルートだとおもう一酸化窒素による細胞外マトリックスの調節やグルタミン酸の逆行性伝達が、ウコンのグリア細胞からの一酸化窒素の抑制や、カルシウムシグナリングの正常化によるグルタミン酸の変調が緩和したりしたのではとか、あれこれ考えています。
離脱による罪もあるかもしれないけれど功も大きいそうなウコンや、より副作用の少なそうなNMDA受容体からのカルシウム流入に拮抗するイチョウ葉など、難しそうですが、いろいろな原因が混ざっていそうな自閉症の切り分けがもう少しできれば、より楽になる手だての1つにはなるのでは。
これらの実験から、記憶の消失にかかわる遺伝子があることがわかりました。プロテインフォスフアターゼ1(PP1)という酵素の遺伝子です。タライの実験では、25分の集中学習や、5分の学習と5分の休憩を繰り返した後では、脳のPP1の活動は変化していませんでした。ところが5分の学習と15分の休憩を繰り返したところ、活動が減ったのです。この最後の組み合わせは、もっとも記憶の効率が良いことがわかっています。PP1は記憶の効率にかかわると言いたいところですが、もう一押しほしいところです。
そこで人為的にPP1を壊したマウスを作りました。すると記憶力が大幅に良くなったのです。
そのようなマウスでは、高齢になっても記憶力が衰えません。PP1は、学習の効率を下げるほか、記憶の消失にもかかわっているのです。まさに忘却の遺伝子です。学習によってCREBという転写因子や、CaMKIIなどの遺伝子産物のリン酸化が増えますが、PP1はリン酸化を抑制することで記憶を抑えるのです。
ドーパミンは運動・認知機能の調節に関わる重要な神経伝達物質であり、パーキンソン病、統合失調症、ハンチントン舞踏病、注意欠陥・多動性障害、自閉症、薬物依存の病態と密接に関わっている。ドーパミン作用の異常は様々な精神・神経症状を呈するため、ドーパミンが作用するメカニズム、つまり、ドーパミン情報伝達系の解明は重要である。
DARPP-32はリン酸化を介する細胞内情報伝達系の解析に適しており、DARPP-32リン酸化解析により線条体におけるドーパミン情報伝達系および様々な神経伝達物質シグナルの統合システムを解明することが可能である。正常および病的条件でのドーパミンを中心とした線条体情報伝達システムを網羅的に解析し、「線条体領域ドーパミン情報伝達マップ」の作成を目指している。
甲状腺のところを読んでいると、白斑症のことがでてくる。これは私の小学校時代にふくろはぎの傷から拡がり今も残る症状、鏡文字は記憶力のいいタイプの自閉症である息子や左利きの私の弟にみられたモノ。
脳の劣位半球の抑制などGABAの亢進で息子の自閉症のかなりの部分は説明出来そうですが、幼児期の裸になりたかったことやつま先歩きなどを合わせ、息子の自閉症に甲状腺の過活性による脳の興奮があり、それを抑制するGABAの亢進があったのではと。
自閉症は関係するルートの様々な変調でおこるとおもいますが、ルートに細胞内の小胞体が関係するカルシウム振動が関係し、これが細胞内のカルシウム濃度の上がりすぎ下がりすぎで起こらなくなることが原因の1つになるのではと、そこにカルシウムの細胞への入口の数に関係するGABA、我が家の息子の場合は甲状腺の過活性で起こったのかも。
甲状腺の亢進したタイプは、エネルギーあふれ、才能豊かでスーパーマン的な働きをする人があるようですが、そこにはプラスの面とマイナスの面がある、子どもたちの身体が固いのはGABAの亢進による筋固縮が進んでいるため、卵アレルギーが多いのはヨードが甲状腺を活性化するためでは。
自閉症スペクトラムの増加の原因の1つに、甲状腺の亢進・不活性による代謝の変調も考えられるとおもいます。
時に、事実は小説より奇なりということがあります。例えば、失読症や若白髪、はげ、左利き、そして色素がまだら状に失われる皮膚病である白斑症(これがマイケルジャクソンの“漂白したような皮膚”の原因だと思われます)は統計学的に甲状腺疾患とつながりがあるのです。このような病気はすべて身体的には無害なものですが、これらの遺伝形質の存在が長期にわたる甲状腺疾患の家族歴があることを示している場合があります。
統計学的に、失読症は家族の誰かが甲状腺機能低下症や甲状腺機能亢進症、あるいは橋本病<第3章>の診断を受けたところで、正常な甲状腺機能の家族歴があるところよりも発生する頻度が高いのです。それでも、失読症それ自体が甲状腺の病気で引き起こされるものではないことを頭に入れておくことが大切です。
失読症は矯正でき、数多くの特徴を持つ学習障害です。身体的または言葉の発達の遅れ、つづりや字を書くことがへた、どもり、右と左の混同、そして鏡文字などです。失読症の子供は、読むことに困難を覚え、学問的な分野では成績が悪いことがありますが、普通は非常に頭がよく、体操や美術、音楽に天才的な才能があることが多いのです。失読症の子供、または成人は、左利き、あるいは両手利きのことがよくあります。
白斑症に関しては、これも色素がなくなった斑(白またはピンクがかった斑)が手や腕、首および顔に出るのが特徴の無害な病気ですが、これが家族内に伝わっている場合は、甲状腺の病気に罹りやすいことを医師に警告してください。
自閉症のルートにGSK3β(48):自閉症スペクトラムへの甲状腺の活性不活性の影響は?
GABAと痛みの関係を調べていて、田尻クリニックさんの翻訳された「甲状腺の悩みに答える本」に出くわしました。
この前の二日酔いのところから、興奮した脳を冷やすのに抑制のGABAが活性化する、そのGABAは抑制性の広汎な働きを持ち、言語の臨界期の変調、構音の問題なども。
GABAが亢進すると随意筋の姿勢筋などの筋固縮に、一方不随意筋の収縮に関係するのが抗利尿ホルモン、息子の幼児期のつま先歩きはGABAの、チックは抗利尿ホルモンの亢進を現していたのかも。
似ている記憶と痛みは、どちらもGABAが強め、平常心のホルモンセロトニンが弱めます。
そしてそのGABAと痛みの関係を調べていて「甲状腺の悩みに答える本」に。「[第2部]いいえ…それは自分で何とかできるものではありません 一般的な感情と体の相互作用について。」など、今考えていることと重なる部分が多いので、祝・日の休みは暇をみてずっとこれを読むことに。
甲状腺が亢進すると怒りっぽくなったり、分かっちゃいるけど止められないことが多くなる、副甲状腺がカルシウムの代謝と、また震えがでたりと利尿ホルモンとの関係もありそうにおもえます。息子は幼児期、家では裸、外に行くのにもなかなか服を着ずに困っていましたが、感覚の過敏とともに甲状腺の亢進で本当に暑かったのかも。
その強いこだわりをもつ息子のそのこだわりが、ウコンや白金ナノコロイドで少しずつほぐれていっているようにおもえますが、これらの抗酸化物質で甲状腺の亢進が少し緩和されている可能性もありそうです。
甲状腺ホルモンの分泌のバランスが崩れていると、「いいえ…それは自分で何とかできるものではありません」で、本人の我慢だけで抑えようとするとかなり無理がかかる。
自閉症スペクトラムにも、甲状腺の活性不活性の影響を大きく受けている方もありそうで、そこのバランスを整えられれば楽になる方も多くおられるのでは?
甲状腺の病気でお悩みの患者さんのお役に立ちたいということで、田尻クリニックでは甲状腺に関する情報を提供しております。
この小さな内分泌腺が気分や感情、および行動にどれほど密接な影響を及ぼしているかについて。
第21章 将来に向けての8つのステップ:甲状腺、精神および気分の理解を如何に高めるか
海馬θ波は記憶処理過程や長期増強と密接に関連するが、中隔/海馬へ投射するセロトニン神経系は、θリズムを抑制し、海馬脳波を脱同期させ、記憶過程を抑制する。また、レム睡眠時にセロトニン神経系は活動停止となるが、この期間、海馬ではθリズムの発生、記憶の固定化など